大堀裕次郎(26=フリー)が4バーディー、3ボギーの71で回り、通算1アンダーの215で首位と1打差2位に浮上した。ツアー史上最長8007ヤードのセッティングがベールを脱ぎ、全体の平均スコアは76・913を記録。タフな1日で2人しかいないアンダーパーをマークした。自身3度目の最終日最終組でツアー初優勝に挑む。マイケル・ヘンドリー(38=ニュージーランド)が2アンダーで単独首位に立ち、ツアー通算2勝目に王手をかけた。

 強烈なアゲンストの風を受ける後半17番パー3(230ヤード)で大堀が3番ウッドを握る。「ショートホールでスプーンなんて初めて」。17番だけではない。距離の長さに加えて風にも苦しめられ「耐えるのみ」という1日は、こんな場面の連続だった。8番では2・5メートルのパーパットをねじ込み、その17番も手前のバンカーからパーセーブした。

 「アプローチとパターで拾えた」とうなずく小技は、オフに参加する谷口徹の合宿で磨いた。その谷口が日本プロで50歳にして国内メジャー最年長Vを飾った時には「刺激になりましたし、泣きました」。5年シードを獲得した大先輩をねぎらおうとすると「自分の心配をしろ」と愛情たっぷりにいじられた。上位4人に7月の全英オープン選手権の出場権が与えられる。

 最終日へ「1日、強い気持ちを持ってプレーしないと勝てない」。勝負への執着心、強靱(きょうじん)なメンタルは、尊敬する名手から2週前に見せてもらったばかり。松山英樹、石川遼と同学年のホープが勝ちにいく。