メジャー通算5勝のフィル・ミケルソンが、世界中が注目する舞台で、前代未聞の愚行を働いた。

 第3ラウンドの13番パー4。約4メートルのボギーパットは、カップ右をすり抜け、急な傾斜を加速して転がった。すると、何を思ったか、小走りでボールを追いかけ、まだ動いているボールをパターで打ち返した。

 当然のごとく、ゴルフ規則では動いている球をストロークすることは許されていない。これにより、2罰打を課され、結局、パー4で10打となった。

 この日は81と大たたきし、通算17オーバーで、ホールアウト後は64位。

 この日が48歳の誕生日だったミケルソンには、大勢の報道陣が殺到。ミケルソンは「あの行為で、2罰打を受けることは知っている。だが、バンカーに落ちるよりはいい。ルールは理解しているつもりだ。無礼な行為だと思われるのなら、みなさんに謝ろう」と平然と語った。

 さらに「幸せな誕生日であってほしかったが、私はペナルティーを食らったんだ。それ以上、何も言うことなどないだろう」と話した。

 この日、同じ13番グリーンでは、松山英樹が傾斜に苦しめられ、バンカーにボールを落としている。