松山英樹(26=LEXUS)が、執念の追い上げで16位に食い込んだ。54位から出て6バーディー、2ボギーの66で回り通算10オーバーの290。パターの調子を取り戻し、逆転優勝が絶望的な状況から意地を見せた。日本男子初のメジャー制覇は、全英オープン(OP、7月19日開幕)に持ち越しとなった。通算1オーバーのブルックス・ケプカ(28=米国)が、29年ぶり7人目となる2連覇を達成した。

 次のメジャーとなる全英OPへ、松山が希望をつないだ。優勝争いから遠く離された54位から出て、意地の6バーディー。悪夢のような4パットを2度繰り返し、79をたたいた前日の第3ラウンドとは別人のようだった。最終日の66は、全選手中3番目の好スコア。1カ月後に迫る今季3度目のメジャーへ「まだ、そこまでは考えていないですね」と話すにとどめたが、自信をつけたのは間違いない。

 「グリーンが軟らかくなっていて、昨日みたいにカピカピではなかった。リッキー(ファウラー)が(65と)伸ばしていたので、それくらい伸ばせればと思っていた。選手は与えられた場所でやるしかない」

 2連覇を達成したケプカでさえ、通算オーバーパーの超難コース。最終日は大会側が朝方にグリーンに散水した。強い日差しが照りつけたが、松山は午前スタートだったことで結果に結びついた。3番で6メートルのパットを入れると、続く4番ではバンカーから3メートル。5番で5メートル、6番では9メートルと、4連続で長いバーディーパットを沈めた。前日より5つ少ない28パットは、全体の5位。4日間の歯車さえかみ合えば、日本男子初のメジャー制覇は現実になりそうな予感はある。

 「悪くはないです。最悪の状況は免れている。最近成績が良くないんでね。こんなもんじゃないですか」

 この日発表された最新の世界ランクは、10位から12位に後退。1年8カ月ぶりにトップ10から陥落した。それでもメジャーは16年全米プロで4位になって以降、7戦連続でトップ20入り。夢が現実になる日は、そう遠くはなさそうだ。【益子浩一】