2打差5位から出た秋吉翔太(27=ホームテック)が9バーディー、1ボギーの64で回り、通算20アンダーの268で5月のミズノ・オープン以来となるツアー通算2勝目を挙げた。初優勝から2勝目までわずか28日。99年の日本ゴルフツアー機構発足以降では史上3番目に短い記録となり「こんなに早く2勝目ができるとは思ってなかったです」と目を丸くした。

 通算19オーバーの148位で予選落ちした全米オープンから帰国したのが19日。今大会4日間で24個のバーディーを積み重ねたが、全米では2日間で3個。「(全米は)ぜんっぜん楽しくなかった。あんなに楽しくないゴルフはないです。人生で断トツですよ」と笑わせるが「打ちのめされて、まだまだ自分の実力はこんなものかと目に見えて分かった」と受け止めている。

 強行日程の中でも勝ちたい試合だった。昨季はこの試合がレギュラーツアー初戦。そこで6位となり、初シード、そして今季の初優勝につなげた。「去年の僕のゴルフが始まった、思い入れの強い試合なので」。ホストプロとしても、ダンロップの新アイアン「Z785」を実戦投入して即結果を出した。「ダンロップの看板を背負ってる。恩返しできたのかな。新しいクラブを使って優勝できて、いい宣伝ができたかな」と豪快に笑った。

 目線の先にあるのは1勝目で出場権を得た7月の全英オープン。「全米みたいにならないように頑張らないと」。この試合が始まる前の時点で世界ランク179位となっており、100位以内が目安となる8月の全米プロ選手権も見えてきた。「(今季開幕時点で)何もなかった自分が年間3つのメジャーに出られたら、すごくないですか?」。2勝目に満足することなく、上を目指し続ける。