成田美寿々(25=オンワードホールディングス)が、5バーディー、ノーボギーの5アンダー、67で回り、通算17アンダー、271で今季2勝目、通算10勝目を挙げた。首位に立った第2日から独走の優勝で、賞金ランクも2位に浮上。鈴木愛(24=セールスフォース)が2位に入り、史上最速となる11戦目でのシーズン獲得賞金1億円を突破した。

 一時は2位に5打差をつけても、終盤に優勝が決定的になっても、成田は攻め続けた。最終18番パー5では、2オンを狙いバンカーに入れた。「仮想20アンダーのリーダーボードを目標に4日間戦い続けました」。攻めのゴルフで、サントリー・レディース以来の今季2勝目、ツアー通算10勝目をつかみ取った。

 「申ジエさん、(鈴木)愛ちゃんと実力者を振り切って優勝できたのは自信になった」と優勝インタビューで胸を張った。13年プロテスト合格の同期生、鈴木愛に賞金女王は譲ったが、通算10勝は先に達成(鈴木は9勝)した。

 会場から車で30分ほどの千葉・市原市の実家から今大会は通った。2年前に建てた実家のガレージはゴルフの練習場。打球練習、パット練習などができ、天井にはインパクトが細切れで見られ、スイングスピードなどが解析できる機材を約200万円かけて設置。大会が始まっても実家で練習して会場入り。こつこつと重ねた練習の成果を、地元千葉での優勝で実らせた。

 前日は家族で優勝へ願掛けもした。貨物船船員の兄彰弘さん(32)が高知県から持ってきたカツオを家族で食べた。父俊弘さん(63)は「カツオは勝つということで。本人も『そだねー』って食べていました」と話す。尊敬する宮里藍さんからは、インスタグラムに「明日頑張ってね」と書き込みもあり励みにした。

 優勝賞金3240万円を獲得し、賞金ランクも2位に浮上。初の賞金女王をかけて、女王鈴木愛に挑む態勢は整った。【桝田朗】