男子ゴルフの秋吉翔太(27=ホームテック)にとって、初出場の全英オープン(19日開幕、カーヌスティ・リンクス)は本当の意味で世界を体感する戦いになりそうだ。

 16日に発表された予選ラウンドの組み合わせでは元世界ランク1位のジェーソン・デー(オーストラリア)、昨年大会3位の李昊桐(中国)と同組に。初の練習ラウンドも終わりに差しかかった18番グリーンに向かう途中で関係者から知らされ「マジで?」と驚きを隠せなかった。

 デーと同じナイキのウエアに身を包む時松隆光と一緒に回っていたため、急きょ「ミニデー」と命名し、懸命に雰囲気をつかもうとした。興奮は収まらず「あのジェーソン・デーですよ。“元”はつきますけど、世界1位ですからね。何なら勝てるかなあ…」と苦笑い。それでも、すぐに「そういう人とラウンドできるのは本当に勉強になる。勉強になるけど、負けたくないという気持ちもある」と表情を引き締めた。

 頭を占めるのは6月に初出場し、通算19オーバーの148位で予選落ちした全米オープンの苦い記憶だ。「もう、ああいうふうな形には絶対にしたくない」。全米の結果を踏まえた上で全英に向け、用具契約を結ぶダンロップと打ち合わせを重ね、硬い地面対策でローバンスのクラブを「アイアンからウエッジまで全部特注で」用意してもらった。全米が悔しくてたまらなかったのは、自分だけではない-。「スタッフさん、みんなの思いもしっかり受け止めて戦いたい」と熱い口調で話した。