女子15~17歳の部で、今年の日本女子アマ覇者・吉田優利(千葉・麗沢高3年)が03年の宮里藍に続き、15年ぶり史上3人目となる同一年のアマ2冠を達成した。通算5アンダーの首位で出ると5バーディー、2ボギーの68で回り、通算8アンダー205で初制覇した。

 抜群の集中力だった。勝負の後半、吉田が1打差で追う同組の首位政田夢乃(北海学園札幌高3年)をとらえた。ピンまで約100ヤード以内で、好アプローチを連発。52度ウエッジで14番、15番とピン10センチに寄せて連続バーディーで逆転。17番も58度のウエッジで再び10センチにつけてバーディーを奪取し、優勝を決めた。

 「バックナインが勝負だと。頭を回転させ、どこで(バーディーを)取れるか考えて。結果的に取れました。調子も3日間で一番良かった」

 ナショナルチームの一員ながら、昨年は海外遠征のメンバーに入れず、日本女子オープンの出場もかなわなかった。「悔しい思いをした」。今年から本格的に上田桃子、比嘉真美子らを指導する辻村明志コーチに師事。「リズムと気(集中力)だよ」との助言を胸に秘めて会場入りした。さらにナショナルチームでガース・ジョーンズ・コーチの指導のもとメモの活用やマネジメントを学んだ。「ゴルフ頭脳のレベルは上がった」。2月に米女子プロツアー、ISPSハンダ・オーストラリア女子オープンでベストアマ。日本女子アマも制し「雲の上の人」という宮里藍と同じ、同一年のアマ2冠も達成し「記録に残る試合がしたかった」と素直に喜んだ。

 吉田の次なる国内ターゲットは日本女子オープン(千葉CC野田C)になる。千葉出身で「何度も回っていて相性も悪くない」。本気で同一年の「3冠」を狙いにいく。【藤中栄二】

 ◆吉田優利(よしだ・ゆうり)2000年(平12)4月17日、千葉県生まれ。10歳の時、父英隆さんの勧めでゴルフをはじめ、12歳の時に関東ジュニア優勝。関東ゴルフ連盟から米IMGアカデミー派遣の1期生に選出される。麗沢高1年からナショナルチーム入り。好きな選手は、テレサ・ルー。得意クラブは、ドライバーで、平均飛距離は240ヤード。趣味は買い物。両親と弟、妹。157センチ、56キロ。血液型はO。

 ◆同一年の女子アマ2冠メモ 現行制度で、日本女子アマと日本ジュニア本部門(15~17歳女子の部)を同一年に制したのは00年の紫垣綾花、03年の宮里藍に続いて3人目。両タイトルを獲得した選手としては蛭田みなみ以来7人目で、蛭田、紫垣、宮里藍に加え、宮里美香、比嘉真美子、勝みなみがいる。なお宮里美は中学時代の04年に日本女子アマ、日本ジュニアの女子12~14歳の部で優勝している。