先月初勝利を挙げたばかりの出水田(いずみだ)大二郎(25=TOSS)が、2勝目へ好発進した。9バーディー、1ボギーのコースレコード63で回り、8アンダーで単独首位に立った。名字の難解な読みで、優勝しても知名度はいまひとつ。短期間での2度目の優勝でアピールする。

「ほぼ完璧だったかなと思います。ショットもパットも」。その言葉通り、圧倒的なゴルフで単独首位に立った。アプローチショットを打てばベタピン3回。パットを握れば、10番、16番で6メートル、17番5メートルとロングパットを沈めた。終わってみれば、コースレコードの8アンダー。25歳の出水田が強さを見せつけた。

8月のRIZAP・KBCオーガスタで、プロ転向8年目で初勝利を挙げた。「気持ちの面で楽になった。そのことがゴルフの攻め方に生きている」と言う。国内屈指の飛ばし屋だ。今大会で設定されたドライビングディスタンス賞の初日成績では、2ホール平均で306・9ヤードと、外国人選手が上位を占める中、池田勇太に次いで全体の9位に入った。

横峯さくらの父良郎さんが主宰する「めだかクラブ」の出身。前週には女子ツアーで、ともに練習に励んだ香妻琴乃が優勝した。「ボクの優勝が刺激になったと言ってくれたのでうれしかった。それですぐ結果を出したのですごい」と逆に刺激をもらい今大会に臨んでいる。

目下の悩みの種は、なかなかファンに名前を覚えてもらえないこと。優勝翌週のフジサンケイ・クラシックでは「いでみつさんとか言われました。まだまだ認知度は」と苦笑する。認知度を上げるためにも、アジアツアーと共催になりアジアの強豪が集うこの大会で勝つしかない。「ゆくゆくは海外でやってみたいので、この試合で結果を出せたら」と将来もしっかり見据えている。【桝田朗】

◆出水田大二郎(いずみだ・だいじろう)1993年(平5)2月5日、鹿児島県生まれ。9歳から「めだかクラブ」で競技。07年から九州ジュニア4連覇。樟南高卒業後の11年にプロ転向。今季初めて賞金シード入りし、8月のRIZAP・KBCオーガスタでツアー初優勝。183センチ、83キロ。