原江里菜(30=NEC)が5バーディー、1ボギーの68で回り、4アンダーで2年ぶりの首位発進を決めた。東北高(宮城)時代からお世話になっていた仙台の知人が6月に死去。高校、大学時代を過ごした思い出の地で15年以来となる通算3勝目へ突き進む。

原江里菜には“準地元”で優勝したい理由がある。高校時代からお世話になった人が6月に亡くなった。「15年くらいかわいがってもらっている(宮城の)お父さんみたいな人だった」と言う。「最初は(宮里)藍先輩の紹介。優作さんとか宮里家とつながりのある方で」。慣れない寮生活で食事の苦労も多い中、毎週のようにいろんなものをごちそうしてもらった。

プロになり、この大会に出る時も「試合に来てるのか、旅行に来てるのか分からないくらい、いろんなところに連れていってもらった」。開幕前には高校時代の同級生、有村智恵とともにお墓参りをした。「いつもの仙台とは違う感じ。その人のためにここで頑張りたい」と、感謝の思いを執念に変えた。後半は10、13番と8メートルのロングパットを沈めてバーディー。最終18番もバーディーで締め「イメージ通りのスタートで満足です」とうなずいた。

前週はかわいがっている香妻琴乃がツアー初Vを飾り、祝勝会を開いた。シャンパンを振る舞い、香妻を「師匠」と呼んでいじり倒したという。「こっちゃん(香妻)も勝った。仲良くしてる友達も初めて試合を見にきてくれている。私のゴルフの状態もいい。いろんなことが重なって、自分で“流れ”を感じずにいられない週です」。強い気持ちで54ホールを戦い抜く。【亀山泰宏】