今夏のプロテストに合格した新人の河本結(20=エリエール)が、最終18番の劇的イーグルで、史上初の下部ツアー年間4勝を達成した。

大接戦を演じた脇元華(21)と通算9アンダーで並んで迎えた18番パー5。2オンに成功した河本は、同組の脇元の目の前で、8メートルのイーグルパットを沈めて白熱した勝負に決着をつけた。首位から出て1イーグル、2バーディー、1ボギーの69で、同11アンダーとした。

一時は2位以下に2打差をつける場面もあったが、14番で河本がボギー、脇元がバーディーで逆転を許した。それでも続く15番ですぐに追いつくと、最後の1打まで目が離せない熱戦になった。

河本は「華ちゃんとの一騎打ちは本当に苦しかった」と本音を漏らしつつ「逆転された後、キャディーさんに『勝負はこれからです』と言って、自分に気合を入れた。上がり2ホールが神がかっていました。自分ではないくらいの感覚でした」と興奮した様子だった。

史上初の下部ツアー年間4勝で、獲得賞金は約1787万円に。2位上原美希とは約317万円差だ。最終戦となる京都レディース(17日開幕、城陽CC東C)の優勝賞金は360万円のため、初の下部ツアー賞金女王にも大きく前進した。

「今大会は、お母さんだけでなく、お父さんも初めて見にくれた。目が見えないおじいちゃんや、おばあちゃんも来てくれました。家族の前で勝てたことは本当にうれしい。私が今、ゴルフできているのは、両親やおじいちゃん、おばあちゃんのおかげ。目の前で優勝を見せることができたので、少しでも恩返しできた」

プロのツアーを戦いながらも、文武両立を目指し日体大2年に在学。伸び盛りの女子大生プロは、うれし涙を流した。