女子ゴルフで13年賞金女王に輝いた森田理香子(28=リコー)が、来季のツアー活動を休養する方針を固めたことが30日、分かった。

来季出場権をかけた予選会となる第2QTが、今日31日に4会場で開幕するが、C地区(三重・伊勢CC)に登録していた森田はこの日、急きょ出場を取りやめた。関係者によると、今後は主催者推薦(最大年間8試合)による出場権も行使する意思はないといい、来季以降の活動も不透明だ。

13年賞金女王の森田が、来季ツアー活動を休養する方針を固めた。ツアー出場の予選会となる第2QTの申し込みは9月7日が締め切りで、この時点で登録は済ませていた。30日正午に発表されたC地区・伊勢CCの組み合わせにも、アウトスタートの7組目に名前が出ていた。だがその後、体調不良を理由にLPGA側に欠場を申請。森田は16年に賞金ランク69位でシード権を喪失。その後もシード復活はならず、今回は事実上、来季のツアー出場権を自ら手放すことになった。

関係者によると、年間最大8試合ある主催者推薦での出場権も、現時点では行使する意思はないという。QTランク236位で臨んだ今季も6月中旬のニチレイレディース(千葉・袖ケ浦CC)を最後に出場がなく、6試合で予選落ち4度。まだ今季の推薦枠を残してはいるが、既に4カ月以上もツアーに出ていない。来季休養を決断したことで、1年半以上もツアーから離れることになる。

13年に4勝を挙げ、横峯さくらに競り勝って23歳で初の賞金女王に輝いた。実力とルックスを兼ね備え、人気絶頂の時を迎えたが、アプローチの不調からスイングが崩れがちになり、袋小路に入り込んだ。栄光からどん底にはまり、師匠の岡本綾子だけでなく、複数のコーチからも教えを請うなど、試行錯誤を繰り返してきたが、復活のきっかけをつかめなかった。

今後は休養をしながら精神面を整理し、ゴルフを1から構築する方針。所属事務所を通じて森田は「応援頂いているファンの皆さま、ご契約頂いているスポンサー各社の皆さまには大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。今後は体調管理も含めて、再起に向けて取り組んで参ります」とコメントした。しかし女子ツアーは世代交代が急激に進んでおり、今季は勝みなみ、小祝さくらら黄金世代が台頭。森田は来年1月で29歳になるため、完全に表舞台から姿を消すことも考えられる。

 

◆00年以降の賞金女王 不動裕理(6回)、アン・ソンジュ(3回)、イ・ボミ(2回)、大山志保、上田桃子、古閑美保、横峯さくら、全美貞、森田、鈴木愛の10人。うちツアー活動から事実上、身を引いているのは古閑だけ。横峯は米ツアーに軸足を置きながら、今季も国内ツアー12試合に出場。41歳の大山は頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアから復帰し、今年6月のヨネックスレディースで復活優勝を飾った。4年ぶり4度目の女王を目指すアンは、現在賞金ランクトップに立つ。

 

◆森田理香子(もりた・りかこ)1990年(平2)1月8日、京都市生まれ。8歳から競技を始め、京都学園高2年の06年にナショナルチーム入り。同年の日本女子オープンでベストアマを獲得。08年7月にプロテスト合格。翌09年から岡本綾子に師事し、13年に4勝を挙げて賞金女王となるなどツアー通算7勝。164センチ、57キロ。