男子ゴルフのダンロップ・フェニックス(15日開幕、宮崎・フェニックスCC)のプロアマ戦が14日、同コースで行われた。

石川遼(27=CASIO)は、13日の練習ラウンドで1度もドライバーを握らず2番ウッドをテストするなど“奇策”も視野に入れていたが「ドライバーでいきます」と明言した。「かなり絶望的でした」と振り返る感覚が一気に上向いたのは、前日のラウンド後に行った練習中。ネック部分に鉛を貼ると「アゲンストもフォローも、不安なく振れている。インサイドに振り抜けて、球がストレートになってきた」。鉛をどれくらい貼ったかについて「ここまで数字を度外視して考えたことはなかった。メーカーの方は知っていますが、僕の耳には入れないでくれっていうくらいの量を貼ったので…」と笑ったように、自らの感覚を最優先した“突貫工事”だった。

「試合でどうなるかが一番大事」とした上で「今日もほぼ曲がらなかった。レベルが高くない話ですが、着実な1歩を大事にしてやっていかないと」とうなずく。プロアマ戦後の練習場では、会場入りした尾崎将司(71)が石川のドライバーショットをじっくりと観察した。「ヘッドが浮かなくなってきたな。タイミングが合ってきたじゃないか」と太鼓判を押し「いつまでも『ドロー、ドロー…』って言ってるから、頭が固いヤツだなって思ってたんだよ」と豪快に笑うひと幕もあった。

日本のエース松山英樹(26)、若き飛ばし屋の星野陸也(22)と同組で回る予選ラウンド。「英樹は実力があるし、今年の陸也は勢いだけでなく力もあって、それが花開こうとしている。今の自分の状況で、彼らが感じているプレッシャーと、僕が持っている緊張感は種類が違う」と立ち位置の違いを強調する。そして「自分は正直、そこまで緊張もプレッシャーもないかなと思っていて…。それ自体が寂しい」と悔しさをにじませる。「今、自分にとって必要なことは、練習から1打1打を積み重ねていくこと」。スポットライトを浴びる最注目組の中で、地道な1歩を刻もうともがいている。