日本ツアー2週連続参戦の松山英樹(26=LEXUS)が「人生初」の珍事でスコアを落とした。14番で同組の星野陸也(22)とお互いのボールを間違えて打ってしまう「誤球」で2罰打を科された。4バーディー、3ボギー、1ダブルボギーで、プロ転向後の同大会ワーストとなる72で1オーバー。星野と並んで首位と6打差の56位となった。

「人生で初めてです」と振り返った松山は星野への謝罪を口にした。「本当に不注意で。僕だけ2ペナだったら良かったんですけど、申し訳ないなという気持ちです」と神妙に言った。

13番で松山が最初のバーディーを奪った直後の14番。ともにティーショットを左ラフに入れた。先に松山がバーディーチャンスにつけ、続いて星野も第2打を打ったが、グリーン上で間違いが発覚した。「僕は気付かず(マークした後、進藤キャディーに)ボールをふいてもらおうとしたら『あっ』って言われて、ボールを見たら…って感じでした」。競技委員を呼び、2罰打を加え、それぞれもとの左ラフから打ち直した。

同じダンロップのボールを使用。星野は名前をプリントしている一方、松山は入れていない。2人ともパット用にサインペンで黒い線を引いてあるが、同組だった石川遼は「線の入れ方もほぼ同じなんです。英樹は黒い線を1本、陸也は黒い線の横に短く2本の線が入っている」と違いが微妙であることを強調する。松山はもう1つのボールから5ヤードほど手前にあるボールに入った黒い線を見て、自分のものだと思い込んだ。「『(星野のボールには)ラインが入ってない』と思って。僕の方が飛ばないだろう、という勝手な推測もありました。不注意でした」と重ねてわびた。

星野も「自分が先に確認していれば、間に合ったかもしれなかった。申し訳ないです」。松山は恐縮しきりの後輩に「切り替えよう」と声をかけ、自分のボールにマークを書き足して対応したという。「盛り返してくれたのでホッとしてます」と後半7番でイーグルを奪った星野のプレーに胸をなで下ろしつつ「(自分の状態が)ちょっとずつ良くなっていることを信じて、しっかりと準備したい」。6打差から巻き返しがかかる第2ラウンドを見据えた。【亀山泰宏】

◆誤球 ゴルフ規則15-3bに紛失球やOBなどを除いて「プレーヤーはティーインググラウンドからプレーした球でホールアウトしなければならない」と明記されている。誤球でストロークした場合、2罰打を科され、正しい球をプレーして誤りを訂正しなければならない。