黄金世代の渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、大激戦を制し、日本勢では男女を通じ42年ぶりのメジャー優勝の快挙を達成した。

13ホール終了時点で通算13アンダーの首位タイ。2打差に5人がひしめく混戦になった。

15番パー5で4メートルのバーディーパットを沈め、通算17アンダー。残り3ホールで、L・サラス(米国)と首位で並び、事実上の一騎打ちになった。

渋野は、16番パー4はパー。17番パー3は難しい下りのバーディーパットを、ピン側に寄せてパーとする。この時点で、2組前のL・サラスは18番の約1メートルのバーディーチャンスを外して、同17アンダーのままホールアウトした。

最終18番パー4。渋野がバーディーを奪えば、優勝が決まる。舞台は整った。

第1打はフェアウエーに置いた。第2打はグリーンをしっかり捉えた。最後は約5メートルのバーディーパットを3パット覚悟で強めに打った。思い描いたラインにボールを乗せた。ボールがカップに吸い込まれるとパターを持つ左手を高々と上げて満面の“日向子スマイル”。歓喜の瞬間を迎えた。

日本勢では男女を通じ、77年全米女子プロを制した樋口久子(現LPGA顧問)以来2人目のメジャー優勝。2度目の挑戦で昨夏のプロテストに合格してから、ちょうど1年。「笑顔のシンデレラ」が、ついに、世界の頂点に立った。

▽渋野日向子の話 鳥肌立ちすぎて言葉にできない。前半ちょっと緊張していたけど後半はあんまり緊張しなかった。最後のパットもそこまで緊張しなかった。(最後のパットは)ここで決めるか3パットするかと思って強気で打ちました。(3番の4バットでダブルボギー)怒ると言うより笑けちゃって悲しくなりました。10番は切り替えるために、ここでバーディーを取らないといけないと思いました。全部(リーダーボードを)見ていました。(キャディーの)コーチとベラベラしゃべりながらやっていた。