首位から出た稲見萌寧(22=都築電気)が、2位の西郷真央と金沢志奈に9打差をつける圧勝で、通算10勝目を挙げた。

2位に1打差リードでスタートし、7バーディー、ボギーなしの65と7つ伸ばして回り、通算17アンダー、199。国内女子ツアーでは、宮里藍の20歳105日に次いで2番目に年少となる、22歳108日での10勝目となった。また、この優勝で賞金ランキングでも現在1位の稲見が、2位の古江彩佳を引き離した格好。次戦も優勝すれば、初の賞金女王に輝く可能性が出てきた。

前半は5番パー5で、第3打を1メートル足らずにピタリとつけてバーディーを先行させた。8番パー4でも、第2打を2メートルにつけて2つ目のバーディー。2つ伸ばし、リードを4打差に広げて折り返した。

後半は勢いが加速した。12番パー3で、ティーショットを2メートルにつけて伸ばすと、そこから3連続バーディーを奪った。それでも手綱を緩めず、16番パー4でもバーディーを重ねた。

これで今季獲得賞金は、1シーズンとしては歴代最高を更新する、2億5256万6049円となった。今季残り2戦の優勝賞金は1800万円と3000万円。今大会と合わせて3連勝で今季を締めくくれば、史上初のシーズン獲得賞金3億円を突破。今後、誰も更新することができないような、異次元の記録を残す可能性まで残した。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年と統合された今季としては9勝目。今季残り2戦は、03年の不動裕理に次いで2人目となるシーズン10勝目がかかる。

最後は18番パー4で、ロングパットを決めてバーディーで締めた。ボールがカップに吸い込まれるよりも先に、両手を上げて喜んだ。今大会3日間を通じて、これまでガッツポーズはなく、喜びを前面に押し出して表現したのは最初で最後。優勝インタビューでは「自分でもビックリするぐらいパターが入った。(ウイニングパットは)自分の中では、すごくうまく打てて『これ入ったわ』と思いました」と笑顔。東京五輪では銀メダルも獲得した今年を振り返り「いい年になっていますね」と、笑顔で振り返っていた。【高田文太】

◆稲見萌寧の優勝クラブ

▼1W=キャロウェイ マーベリックサブゼロ(シャフト=USTマミヤ ジ・アッタス5、硬さS、ロフト10・5度)▼3W=ダンロップ スリクソンZX(15度)▼ユーティリティー=ダンロップ スリクソンZX(3U19度、4U22度、5U25度)▼アイアン=5I~PW=テーラーメイド P770▼ウエッジ=タイトリスト ボーケイSM8 52-08F(52度)、同SM8 58-08M(58度)▼パター=テーラーメイド トラスTB1▼ボール=ブリヂストン TOUR B XS