<米男子ゴルフ:全米プロ選手権>◇最終日◇14日◇米ジョージア州アトランタ・アスレチック・クラブ(7467ヤード、パー70)

 25歳の米ツアー新人、キーガン・ブラドリーが米国人としてメジャー大会で7大会ぶりに優勝した。席巻する欧州ツアー勢をなんとか食い止めた。

 しかし優勝争いはK・ブラドリーにツアー未勝利のジェーソン・ダフナー(米国)ら無名選手ばかり。最終日のコースはいまひとつ盛り上がりに欠けた。最大の要因はやはりタイガー・ウッズ(米国)の不振だ。前週に約3カ月ぶりに試合に復帰し期待されたが、あっさり予選落ち。もう2年も優勝がない35歳のウッズに代わる存在が米国にはいない。人気と実力を兼ね備えた若手は今季の全米オープン選手権覇者ロリー・マキロイ(英国)ぐらいで、やはり欧州が優位だ。

 この現状は米ツアーに影を落とす。米ツアーのフィンチェム・コミッショナーは「ウッズがいなくともツアーの人気は盤石」と強気の発言を繰り返してきたが、米メディアでは「来季からのテレビ放送権の金額交渉に大きな影響を及ぼす」というのが一般的な見方だ。

 大会中の記者会見でダフナーは「ファンはタイガー・ウッズやフィル・ミケルソンばかり見たがるし、だからメディアもビッグネームばかり取り上げる。いい選手はたくさんいるのに」と訴えたが…。