ゴルフのルールを決める英国のR&Aと米国ゴルフ協会は24日、パットなどの構えに入った後に強風など不可抗力で球が動いた場合に科していた1打罰を、来年から撤廃すると発表した。

 ゴルフ規則18-2bには「プレーヤーの球がアドレスした後で動いた場合、プレーヤーはその球を動かしたものとみなされ、1打の罰を受ける」とある。これはゴルフで最も理不尽な規則と言われ、主にグリーン上で数々の悲劇を引き起こしてきた。

 今季は5月の米男子ツアー、チューリッヒ・クラシックでウェブ・シンプソン(米国)が犠牲になった。シンプソンは単独首位だった最終日の15番で、カップ近くからのパーパットを沈めようとした際に球が動いた。これで1打の罰を受けたことが響き、プレーオフの末に優勝を逃した。

 新規則では、球が動いた原因が選手になければペナルティーはなく、動いたところからプレーする。選手側からは歓迎の声が上がり、ロイター通信によると、メジャー大会を3度制しているパドレイグ・ハリントン(アイルランド)は「風が吹くと、いつも球が動かないか心配だった。これで不公平なペナルティーはなくなる」と話した。