<米男子ゴルフ:マスターズ>◇最終日◇14日◇米ジョージア州オーガスタナショナルGC(7435ヤード、パー72)

 32歳のアダム・スコットが通算9アンダーの279で並んだアンヘル・カブレラ(アルゼンチン)とのプレーオフを制し、オーストラリア選手として初優勝した。メジャー初制覇で、米ツアー9勝目。

 タイガー・ウッズ(米国)は通算5アンダーの4位、石川遼は4オーバーの38位だった。

 スコットは母国勢がメジャーで唯一無縁だった悲願のタイトルを懸けて臨んだプレーオフ2ホール目の10番グリーンで、3メートルのバーディーパットを真ん中から沈めた。端正な顔立ちで今大会から日本の衣料品メーカーと契約を結んだ人気者が歴史を刻み「オーストラリアのために勝ちたかった」と誇った。

 過去には全英オープン制覇など80~90年代に世界で活躍したグレグ・ノーマンが何度も優勝争いしながら86、87、96年と2位に終わった。尊敬する先輩の無念も思いを強くする要因だった。

 ノーマンに見込まれたスコットは「グレグは母国のすべてのゴルファーにとって憧れの人。彼が(優勝者が着る)グリーンジャケットに袖を通せたはずだと、みなが思っていた。この勝利の一部は彼のものだ」と感慨に浸った。