<女子ゴルフ:ヨコハマタイヤ・プロギア・レディース>◇最終日◇16日◇高知・土佐CC(6232ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 一ノ瀬優希(25=加賀電子)が初のプレーオフを制して、ツアー通算2勝目を手にした。

 10番パー5でイーグルを奪うなど後半インを32で回り、酒井美紀(22=国際スポーツ振興協会)とのプレーオフへ。18番パー4での1ホール目に3メートルのバーディーパットを沈め、勝負を決めた。

 「手が震えたけど、1ホール目で終わらせたい気持ちが強かった。2ホール目に入ると、ピン位置を切り直すと言われていて、それがイヤだったので」。レギュラーラウンドは右5メートルのチャンスを外したが、同じピン位置で同じ右側、しかもより近いパットだった優位性を生かした。

 オフは1月半ばに左鎖骨を痛めて、打ち込みがほとんどできず、本格的なショット練習は開幕の10日ほど前から始めた。3月7日からの開幕戦は当然のように予選落ち。今季2戦目の今大会は「練習量がみんなより劣るのは明らかなので、気持ちだけは強く持とうと思ってプレーしました」という。

 故郷の熊本は歴代賞金女王19人のうち、都道府県別では最多の4人(平瀬真由美、不動裕理、上田桃子、古閑美保)を輩出した「ゴルフ王国」だ。「できるだけ長く、強いままでプレーを続けたい。『あれ、あいつ、まだ頑張ってるんだ』と思われたい」。将来は賞金女王もほしいというホープが苦境を乗り越えた。21日開幕の次戦Tポイントレディースには、ディフェンディングチャンピオンとして、胸を張って乗り込む。