<男子ゴルフ:中日クラウンズ>◇最終日◇4日◇愛知・名古屋GC和合(6545ヤード、パー70)◇賞金総額1億2000万円(優勝2400万円)

 石川遼(22=CASIO)は後半、封印していたドライバー攻勢で奇跡の逆転優勝を狙った。

 直前にバーディーを挙げ、首位金亨成との差を5打に縮めた直後の後半10番パー4。ティーグラウンドで、4番ウッドを手にアドレスに入ったが、折からの風を感じて構えをといた。

 クラークキャディーに「Right

 to

 left?(風は右から左だよね?)」と確認し、ドライバーに握り直した。右方向へのプッシュアウトしても、風が押し戻してくれる。不安なく振り抜いた一打は、同じくドライバーの金亨成を50ヤード以上もアウトドライブした。

 しかし「いい感触だった」というウエッジでの第2打が、ピンを5メートルもオーバー。さらになんとかバーディーを挙げたい一心が裏目に出て、ファーストパットを2メートルオーバーさせて、3パットのボギーとしてしまった。

 11番パー4も今大会初めてドライバーで攻め、グリーン手前のラフまで運んだが、これも寄せきれずパー。12番パー4も初めてのドライバー。左の林に大きく曲げたが距離を稼ぎ、枝の間を抜く第2打で1・5メートルのチャンスにつけた。しかしこのフックラインのバーディーパットはタッチが強く、カップ右を抜けて外れた。逆にこのホールでチップインバーディーを挙げた金亨成に突き放されてしまった。

 「ロングと短いミドルはイーグル、それ以外もバーディーというつもりでプレーしたんですが・・・」と石川はため息をついた。それでも1万2408人の大観衆から拍手で健闘をたたえられると、「ありがとうございます」と何度もつぶやいて、会場を後にした。