＜男子ゴルフ：フジサンケイクラシック＞◇最終日◇７日◇山梨・富士桜ＣＣ(７４３７ヤード、パー７１）◇賞金総額１億１０００万円（優勝２２００万円）

　プロ転向１１年目の岩田寛（３３＝フリー）が、６バーディー、１ボギーの５アンダー６６で回り、通算１０アンダーでツアー初優勝を飾った。

　Ｉ・Ｈ・ホとＢ・ジョーンズとともに９アンダーで並んでいた岩田は、１８番第２打で勝負に出た。ピンまで１９０ヤード。「６番アイアンかなと思ったけど、同じ組の塚田さんがオーバーしたので７番アイアンにした」。その一撃はピン右１・５メートルについた。６年前のこの大会で、入れれば勝ちのこの日より短いパットを外し、プレーオフで敗れた苦い経験がある。「それが頭をよぎったのですが、まっすぐだと思い、しっかり打ちました」。迷いなく放たれたボールはカップに沈みバーディー。同じ組のジョーンズがボギー、最終組のホはパーで終わり、通算１０アンダーとした岩田の初優勝が決まった。

　東北福祉大の同級生の宮里優や師匠と慕う谷口らの祝福の冷水シャワーを浴びて、苦節１１年の末の感激を味わった。「涙は出ませんでした。今年は１打１打に集中しようという思いでやっていました。それがきょうできたので。取りにいって取れた優勝だった」。昨年までイライラして自滅のゴルフがよく見受けられた。それが、今季はなくそうと努力し、この日の優勝に結びついたのだった。