<米男子ゴルフ:BMW選手権>◇最終日◇7日◇米コロラド州チェリーヒルズCC(パー70)◇賞金総額800万ドル(約8億4000万円)優勝144万ドル(約1億5120万円)

 松山英樹(22=LEXUS)が終盤の連続バーディーで、来週のプレーオフ最終戦、ツアー選手権への出場を勝ち取った。

 15位で出るも、前日までよく決まっていたパットが精彩を欠き、ドライバーも乱れてボギーが先行。14番パー4でボギーをたたいた時点で、通算2アンダーの27位まで後退した。

 試合終了後の想定年間ポイントランクも、31位まで落ちた。同30位以内のプレーオフ最終戦、ツアー選手権出場圏内からも、この時点で外れた。

 しかし、ここからが松山の真骨頂だった。16番パー4では第1打を左に大きく曲げたが、目の前の木の枝の下を通してから大きくフックさせる難しい第2打に成功。「木に当たったら、ここで終わりだと思った。ボギーが許されない状況で、あれだけ難しいショットが打てたのは良かった」。グリーン右端に2オンさせ、パーセーブした。

 この時点で、周囲の選手の順位変動によって、想定年間ポイントランクは30位に浮上した。「でも、2ホールパーでは絶対通れないと思っていた」。17番パー5では、残り228ヤードのフェアウエーバンカーから、4番アイアンで池越えの2オン狙いを強行。見事に成功し、4メートルのイーグルパットは外れたが、バーディーを挙げた。

 これで想定年間ポイントランク29位に浮上。この時点で、30位以内はほぼ確定した。

 さらに18番パー4では、164ヤードの第2打がピン手前10センチに着弾。バックスピンで戻ったが、手前1メートルにつけて連続バーディーで締めた。ラウンド中は終始硬い表情だったが、ここで同組のクレーンにスーパーショットをたたえられると、ようやく笑顔でサムアップした。

 「17番の2オン狙いは、あれでミスしたらまだまだだと割り切った。この緊張感は、良くないですね(笑い)。しんどいです」。結局この試合は通算4アンダーの20位でフィニッシュ。年間ポイントランクも28位として、ツアー選手権出場を決めた。最終戦進出の“副賞”として、来年のマスターズ、全米オープン、全英オープンのメジャー3大会の出場権も獲得。「それは大きいと思います。周囲から、そればっかり言われてましたし(笑い)」と安どのため息をついた。