＜女子ゴルフ：伊藤園レディース＞◇最終日◇１６日◇千葉・グレートアイランドＣ（６６３９ヤード、パー７２）◇賞金総額１億円（優勝１８００万円）

　遅咲きの大輪を咲かせた前田陽子（２９＝フリー）は、初の優勝争いとは思えないほど、堂々とした戦いぶりだった。「結果はどうあれ、今日はいい経験になるだろうと思ってやっていました」。ここまで賞金ランク６８位、０９～１３年はツアー出場なし。失うもののない強みでもあり、苦労人の粘りでもあった。

　通算１０アンダーで原江里菜（２７＝ＮＥＣ）と並ぶ時間帯が長く続いたが、丁寧にパーを重ねていった。原は１６番から３連続ボギーで脱落した。

　前田もさすがに１８番ではウイニングパットを決めきれず、大城さつき（２５＝フリー）とのプレーオフへ。ここも２ホールとも確実にパーとして、大城を突き放した。大城がパーパットを外す瞬間は見ておらず、「キャディーさんと『次はどこに（カップ）切るのかな』と話していました」と、３ホール目に備えていた。

　１番で６メートルのバーディーパットが決まり、好発進したからか験かつぎのように、途中でボールを替えずに１個で１８ホールをプレーしたという。

　次週は地元徳島から近い香川・エリエールＧＣでの試合。一気に注目を浴びることになるが、「私にとっては普段通りです」と、地に足がついているのが頼もしい。