<男子ゴルフ:日本シリーズJTカップ>◇第2日◇5日◇東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)◇賞金総額1億3000万円(優勝4000万円)

 石川遼(23=CASIO)が後半にバーディーパットを立て続けに決め、優勝争いに加わってきた。

 10番パー4で「1・5メートルは右を向いて打った」という大きく曲がる上りフックラインの6メートルを決めてバーディー。ここから面白いようにパットが決まりだした。

 12番パー4でも3メートルを決めてバーディー。14番パー4では、第3打のバンカーショットがピンを5メートルもオーバーしたが、この長いパーパットも決めてピンチをしのいだ。15番パー3ではボギーをたたいたが、続く16番パー4で5メートルを沈めてバーディーを取り返した。会心のパットに、力強いガッツポーズも飛び出した。

 「前半からほとんどミスパットはなかった」と石川。後半のチャージへの布石は、6番パー5にあった。残り235ヤード地点から、3番アイアンの「イメージ通り」のショットで、ピン手前4メートルにピタリとつけるスーパーショット。しかしイーグルパットは、今年張り替えた芝が根付かず砂が浮いたグリーンでブレーキがかかり、惜しくも10センチショートして決まらなかった。

 それでも石川は「ショートしてもいいとまでは思わなかったけど、あそこだけ手首を使って強いタッチを出して、その後の繊細なタッチが必要なパットに影響を残したくなかった」と意に介さなかった。もくろみ通り、後半は繊細なタッチが必要な難しいパットを、次々と決めた。

 今週は7月のセガサミー杯でコンビを組んで優勝した、佐藤賢和キャディーを相棒に選んだ。8月のCATレディースでは上田桃子とコンビを組み優勝。先週のカシオ・ワールドオープンでも片山晋呉のバッグを担いで優勝に大きく貢献した。グリーンの傾斜などの入念な下調べに定評がある“優勝請負人”のサポートで、今週の石川は国内屈指の難グリーンでもしっかりラインを読めている。不振を脱したパットを武器に、初の日本タイトル奪取を狙う。