石川遼(16=パナソニック)が、日本コカ・コーラ社と5年総額5億円(推定)のスポンサード契約を結ぶことが18日、分かった。今日19日に発表される。米ジョージア州に本社を置く総本山の「ザ・コカ・コーラカンパニー」は、同州のオーガスタナショナルGCで開催されるマスターズ出場に向けてバックアップ態勢を用意。石川の「20歳までにマスターズに出る」という夢実現を強力にサポートしていく。

 世界のコカ・コーラが、遼クンの夢実現を全面的に支援する。今回の契約は日本国内だけではなく、グループが事業展開する200以上の国や地域を網羅する「世界契約」。日本コカ・コーラの広報は「石川選手を起用した広告活動やスポーツ振興活動で、全世界を舞台に展開できるものと期待してます」と話した。

 将来性を買っただけでなく、世界にはばたくための後押しが「マスターズ5年計画」だ。1月のプロ転向会見で石川は「いつかマスターズで優勝したい」と宣言した。遼クンがあこがれる「ゴルフの祭典」の第1回大会からの大スポンサーが、同じジョージア州に本拠を置くコカ・コーラ。オーガスタナショナルGCを創設した「球聖」ボビー・ジョーンズは、同社の顧問弁護士でもあった。

 同社は現在、事情により公式スポンサーを外れているが、大会での飲料の独占販売は継続中。現経営陣も同GCの有力会員で、大会委員会に絶大な影響力を持っている。毎年、同GCが閉鎖される4月末から10月中旬を除けば、会員との同伴で石川はいつでもプレーが可能。同社が保有、または契約するそのほかの全米中のコースも同様で、来るべき「マスターズデビュー」や、将来の米ツアー挑戦への絶好の練習機会となる。

 さらに「ウルトラC」がある。予選のないマスターズに日本ツアーから出場権を得るには、世界ランク50位以内に入るか、かつて慣例で賞金王がそうだったように、「特別招待」されるしかない。もちろん、実力で出場権を得てもらうのがベスト。一方で、この5年間に遼クンが日本で、賞金王争いにからむような成績を残せば、同社はグループを挙げて「15歳でプロツアーを勝った日本のタイガー」として、大会委員会に「特別招待枠」での出場を推薦する方針という。

 石川は、まずはスポーツ飲料「アクエリアス」の顔となり、レッドソックス松坂大輔との2枚看板で、5月にもテレビCMに登場する。同社の厚遇に「今は20歳までに、マスターズの舞台に立ってみたい。5年にわたって応援してくださるコカ・コーラの期待にも応えられるように、頑張りたいです」と声を弾ませた。所属のパナソニックをはじめ、これまでは、日本企業との契約ばかりだった。ゴルフの本場米国の象徴コカ・コーラとの合体は、遼クンにとって新たな励みとなりそうだ。