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遼クンいきなり首位タイ/男子ゴルフ

ラウンド中に弟の航君(左)が近づこうとし、苦笑いする石川遼
ラウンド中に弟の航君(左)が近づこうとし、苦笑いする石川遼

<男子ゴルフ:G-ONEオープン>◇初日◇29日◇茨城・チャーミングリゾート・ワイルドダックCC(6973ヤード、パー71)◇賞金総額3000万円(優勝1000万円)

 石川遼(16=パナソニック)が、国内プロデビュー戦初日を首位発進で飾った。終盤5ホールで3バーディーを奪い、4アンダーの67をマーク。谷原秀人(29)ら6人が首位に並ぶ混戦の中、いきなり優勝のチャンスをつかんだ。オフに尾崎将司(61)から学んだ小技でスコアを伸ばし、持ち前の攻撃的ゴルフも随所で披露。スポンサーとの高額契約など話題先行になりがちだったが、成長とプロらしさをしっかりと見せつけた。

 国内プロデビューという区切りの日に、石川が会心の首位発進だ。賞金王4回の片山ら多くの実力者を押しのけた。前日にはドライバーショットの乱れを懸念していただけに、「スコアとしては最高。気持ちいい」と素直に67を喜んだ。注目される舞台で結果がついてくるのは、スター性の証し。プロ転向後、計9社で総額約22億5500万円(推定)の契約と話題ばかり先行したが、この日はちゃんとプレーで「プロ」らしさを見せつけた。

 ジャンボ直伝の技がさえた。17番パー5の第3打、残り39ヤードをサンドウエッジでピン左1メートルにピタリとつけた。インパクトを緩めず低めに打ち出し、3バウンド目にスピンで止める妙技で、観客を沸かせた。「17番は最高でした。自分にとって思い通りの球が出た」。オフに尾崎将宅を何度も訪ね、1日6時間も指導を受けたことも。「ジャンボさんに言われると気合が入る」。心酔する「師」の教えを自分のものにした。

 ひと冬を越えて成長した16歳に、先輩プロも舌を巻いた。昨年10月以来の同組だった谷原は「ショートゲームが上達してるなと思った」と認める。初めて一緒に回った矢野は「うまい。びっくりした」と絶賛。「契約金とかに嫉妬(しっと)してるプロも多いけど、すごくイイやつだし、一生懸命やってる。偏見も減っていくんじゃないか」と本音で評価した。

 アクシデントにも冷静に対応した。7番パー4の第1打を右に曲げ、男性ギャラリーの左手を直撃。第2打地点に着くと、真っ先にその男性に歩み寄り「すみません。どこに当たりました? 大丈夫ですか?」と気遣った。幸い男性にケガはなく、謝罪の意味をこめてボールをプレゼント。トッププロでも動揺するような状況で、丁重な対応の上、同ホールを2オン2パットのパーでしのいだ。

 プロ宣言から3カ月足らず。家では「さあ、仕事、仕事」と言って練習を始めるという。大嫌いだったシイタケも食べ始め、バランスのいい食生活を心掛け始めた。同時に355ヤードの13番パー4では池越えの1オンに挑むなど、攻撃的スタイルも忘れてはいない。

 今大会は残り18ホールの短期決戦。「優勝争いできる位置で、優勝を争う気持ちにならないのはもったいない。優勝争いできると思う。すごく楽しみです」。いきなり迎えた「プロ初V」のチャンスにも気負いはない。【木村有三】

 [2008年3月30日10時3分 紙面から]


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