<米男子ゴルフ:AT&Tクラシック>◇最終日◇18日◇米ジョージア州ダルース、TPCシュガーローフ(7293ヤード、パー72)◇賞金総額550万ドル(約5億7750万円)
米ツアー参戦4年目の今田竜二(31)が、日本人3人目の優勝を成し遂げた。6位スタートから6バーディー、1ボギーの67で回り、通算15アンダーでケニー・ペリー(米国)に並び、プレーオフに突入。1ホール目でパーをセーブして、決着をつけた。プレーオフで敗れた昨年の同大会のリベンジも果たし、青木功(65)丸山茂樹(38)以来、5年ぶりの快挙を達成。優勝賞金99万ドル(約1億400万円)を手に入れ、14歳から米国で腕を磨いたニュータイプが、夢をかなえた。
ついに念願をかなえた。今田が約1メートルのウイニングパットを沈めて、力強く右腕を突き上げた。渡米17年で果たした米ツアー制覇。流ちょうな英語で「信じられない。誰もこの勝利を僕から取り上げることはできない」と感動を表すと、大学時代をすごしたジョージアのギャラリー、号泣する香苗夫人の前で、優勝トロフィーを高々と抱え上げた。
執念の逆転で、日本人選手3人目の快挙を達成した。最終18番ロングのバーディーでペリーをとらえて、プレーオフ(18番ホール)に持ち込んだ。1ホール目の2打目。先に打ったペリーの球は、グリーン奥の木に当たり、跳ね返って池に落ちた。それを見た今田は、ピンまで残り230ヤード地点の右ラフから、悩んだ末に確実にレイアップ。3打目をピン左15メートルに乗せて、確実にパーセーブ。4メートルのパーパットを外した相手を振り切った。
悔しい経験が、運命を分けた。昨年、同じ通算15アンダーで同年のマスターズ覇者ザック・ジョンソンに追いついてプレーオフに臨んだが、1ホール目の第2打を池に入れて敗退。ツアー初優勝を目の前で逃した。そのシーンを再現するかのように、今年も土壇場でプレーオフに持ち込んだ。勝負の2打目で安全策を取り、今回は相手が池に入れて決着。見事な「リベンジ」で勝利を手にした。
今田は中学卒業前に、両親の見送りも断ってフロリダ州タンパに渡り、本場米国で腕を磨いた。日本のトップとして十分に実績を残し、さらに飛躍の舞台を求めて米ツアーに挑んだ青木、丸山とは異質の経歴を持つ。大学を中退して99年にプロ転向も、下部ツアーで6年プレーするなど、下積みの苦労も味わっている。世界の最高峰ツアーの厳しさを知っているだけに、細身の見かけ以上に頼もしい。ツアー4年目の今季は2度2位に入り、地の利のある今大会は優勝候補に挙げられていた。
今回の優勝で今季獲得賞金は231万2647ドル(約2億4282万円)となり、ランク4位に浮上。来年のマスターズの出場権も手中にした。少年時代、早朝のテレビ中継でマスターズを見て「あの舞台でプレーしたい」と願った。その夢がかなう。その前に今季2勝目、今季2戦目のメジャー、全米オープン(6月)の活躍も期待できそうだ。

