<第55回関西女子アマ選手権>◇決勝◇5月29~30日◇兵庫県・三木GC(6142ヤード、パー72)◇2日間36ホールストロークプレー◇出場132人(最終日71人)

 関西から女子の新星が誕生した。藤井寺市立道明寺中3年の杉本愛理(14=花屋敷)が2日間首位を守り抜き、2オーバーの146で優勝した。04年に中川亜美(19=関大)が記録した15歳4カ月を抜く、14歳3カ月で史上最年少V記録を樹立した。上位24選手が日本女子アマ選手権(24~28日、兵庫・広野GC)の出場権を獲得した。

 最終18番パー5。3メートルのバーディーパットを打つ杉本の手は震えていた。結局パーでホールアウトし、史上最年少優勝を決めたものの、表情を緩めることはなかった。

 「優勝できると思ってなかった」。スコアカードを提出し、競技委員の確認をうけ、初めて優勝を実感した。父一剛さん(52)の指導のもと、5歳からクラブを握り、世界ジュニアや、関西小学生大会で実績も残したが、関西女子アマは大きなカベだった。

 06年は初日に86を叩き、71位タイで最終日に進めなかった。8位に終わった昨年も初日は78で出遅れた。ジュニア競技と違うコース設定、重圧につぶされた。「期待外れの成績ばかりだったので、イメージが悪かった」。それを今回の完全優勝でぬぐい去った。

 史上最年少優勝で、2度目の日本女子アマだけでなく、女子ツアー競技サントリーレディスオープン(12~15日、兵庫・六甲国際GC東コース)の出場権も手にした。「地元なので、応援もたくさん来てくれると思います。恥ずかしくないゴルフで日本女子アマではマッチプレーまで進みたい」。仲間から祝福を受け、試合中には見せなかった屈託ない笑顔を見せた。