<米男子ゴルフ:全米オープン>◇プレーオフ◇16日(日本時間17日)◇米カリフォルニア州サンディエゴ、トーリーパインズGC南コース(7643ヤード、パー71)

 「ロッコ!

 ロッコ!」。約2万人のギャラリーは明らかに、絶対王者を向こうに回して奮戦する「中年プロ」を応援していた。予選会からの本戦出場。45歳5カ月で大会史上最年長優勝を狙ったミーディエート。最後に力尽きても「全力を出し切って、これ以上ないという戦いだった。タイガーを十分に恐れさせることができた。あと1歩で倒すところまでいけた」と満足げだった。

 10番のボギーで3打差まで離された。「あきらめてはいけない」。13番から3連続バーディーで逆転。15番では10メートルのパットを決めて「タイガーのようだっただろ」と誇らしげだ。

 85年にプロデビュー。91年にツアー初優勝したが、94年、椎間板(ついかんばん)ヘルニアを患った。「歩くこともできなかった。『もうゴルフはできない』と思ったし、やらないつもりだった」。テレビのリポーター、解説者にもチャレンジした。しかし、体調が戻るとまたクラブを握っていた。

 苦しんでも、持ち前の明るさは失わない。「昨日、赤だったから、今日は着ないと思ったのに」。黒い帽子に赤いシャツ、黒いパンツと、ウッズと似た格好を問われると、すねた顔をした。ラウンド中も気軽にギャラリーに声をかけ、3番でホールインワンをしそうになると、クラブを放り投げて、周囲を沸かせた。

 世界ランク158位の大金星、6年ぶりのツアー勝利はならなかった。「45歳でもまだまだやれる。ツアーであと5年はやるよ」。そう言ってご機嫌に腕まくりしたが「正直、勝ちたかった」とぽつり。夢心地の戦いを終え、またアメリカンドリームを目指す旅が始まる。