<男子ゴルフ:サン・クロレラクラシック>◇3日目◇2日◇北海道・小樽CC(7535ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 異色の「逆輸入男」が、日本初Vを視界にとらえた。プロ8年目の貞方章男(29=フリー)が73で回り、通算1オーバーで首位と2打差4位につけた。ゴルフ留学のため14歳で単身渡米。今季米ツアーで初優勝した今田竜二(31)と3年間一緒に暮らした経歴を持ち、03年には自身も同ツアーに参戦。今年から本格出場した日本ツアー今季8戦目で優勝のチャンスが来た。ドンファン(21)が通算1アンダーで首位に立った。

 難条件にも、貞方は地道にスコアをつくり上げた。最大瞬間風速9・4メートルの風が吹き荒れ、横なぐりの雨も降る。アンダーパーは1人だけで、この日の平均スコア77・079は今季最悪。そんな中で、73で回って4位につけた。「みんな一緒のコンディションですから。難しい方が好きですね。風が吹くのも嫌いじゃないし」。涼しい顔で話した。

 状況が厳しくなればなるほど、本場でもまれたタフな心と技が生きる。14歳で単身渡米。「メジャーに出る」という夢を、異国で追いかけてきた。03年には念願の米ツアー本格参戦。同年シード権を逃した後も、米下部&ミニツアーを転戦してきた。経費を抑えるため、仲間数人と借りたバスで移動し、ホテルの一室に3、4人で泊まったこともある。今年から日本ツアーに出場し始めた理由は「向こうでミニツアーに出ても上がないでしょ。メジャーに出たいから」。

 同じく14歳時に渡米していた3学年上の今田竜二とは留学直後に知り合い、3年間同じ部屋で生活。「ゴルフで負けた方が皿洗いの役だった」という。先週セガサミー杯で3位に入ると、国際電話で「もうちょっと頑張れ」と励まされた。

 「あの人(今田)が優勝したのはうれしかった。自分も頑張らないとだめだしね」。この日は2番でダブルボギーをたたいても、4バーディーを奪って粘った。首位とは2打差。「目の前の1打を精いっぱいやって乗り切るだけ」。異色の「逆輸入男」の言葉に、力がこもった。【木村有三】