<男子ゴルフ:関西オープン>◇3日目◇23日◇滋賀・滋賀GC(7080ヤード、パー72)◇賞金総額3000万円(優勝700万円)
石川遼(16=パナソニック)が、プロ初優勝と「伝説のゴルファー超え」に王手をかけた。強い風雨にもパープレーの72と耐えて通算9アンダーの207、初日からの単独首位を守り、2位池田勇太(22)らに4打差をつけた。16歳11カ月の石川が勝てば、1933年(昭8)第8回大会の戸田藤一郎の18歳5カ月を抜き、大会史上最年少優勝。日本最古のオープン競技で75年ぶりの記録更新という「快挙」がかかる。
激しい雨と強い風、時おり霧も立ち込める悪条件の中でも、石川の集中力は揺るがなかった。13番パー3では、グリーン手前15 ヤード からチップインバーディー。握った右拳を3度も振り下ろした。難度が高まるコースで、通算9アンダーを維持して2位との4打差をキープ。初日から首位を走って、待望のプロ初優勝へ、残り18ホールとした。
石川
今日はすごく長く感じたけど、いい組(最終組)でプレーして、最後まで集中力が切れなかった。明日も最終組で回れる。すごく幸せですね。
苦しいときは、自分の言葉で戒めた。10番パー5で第1打を左バンカーへ入れると、石川はホール図が書かれたメモを開き「もっと体を回せ」と書き込んだ。「あまりにも悪いスイングだったんで、自分で自分を怒った。でも、書けばスッキリするんです」。
プロになって初めての「メモ書き」。小学生のころは、メモが不可欠な少年だった。試合に行くと、スイングの注意点を書き込んだメモをキャディーバッグやヘッドカバーに張り付け、必ず打つ前に見て、ショットに臨んだという。
今大会は1組に1人のハウスキャディーが付く形のため、ツアーに帯同する加藤大幸キャディー(25)はロープ外で応援役。いつも距離計算やクラブ選択で頼りにする相棒がおらず、自分でメモを持ち、見て、書き込んで、頭をフル回転させた。自力でのコース戦略に「いつもは全部やってもらって楽は楽だけど、こっちの方がしっくりする」と笑った。
75年ぶりの記録更新も視界にとらえた。関西オープンの最年少優勝記録は、戸田藤一郎の18歳5カ月。石川があこがれるマスターズに日本人として初出場し、「鬼才」と呼ばれた伝説のゴルファーが、1933年に打ち立てた記録だ。75年の時を経て、16歳11カ月の「天才少年」石川が破るチャンス。「ここまで3日間終わって、1番優勝に近いところにいる。狙っていきたい」。記憶に残るプロ初優勝は、記録にも残る勝利で飾るつもりだ。【木村有三】

