<女子ゴルフ:CATレディース>◇最終日◇24日◇神奈川・大箱根CC(6648ヤード、パー73)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 古閑美保(26=キリンビバレッジ)が雨中の接戦を制して、今季2勝目を挙げた。2バーディー、2ボギーのイーブンで回り、通算9アンダーの210で優勝。大雨による約2時間のプレー中断にも耐え、首位に並ばれた全美貞(韓国)の最終18番のボギーで粘り勝ちした。5月のクリスタルガイザーレディスに続くVで、ツアー通算9勝目。三塚優子(23)が通算7アンダーで3位、横峯さくら(22)は4アンダーの9位。

 土砂降りの雨を耐えた古閑が、最後に笑った。最終18番パー5の第3打を右ラフからピン右4・5メートルにつけると、リーダーボードをちらりと見て、1組前の全美貞が1打後退しているのを確認。ウイニングパットを入れると、両手でVサインしながら万歳した。

 スタートから勝利まで約7時間を要した。バンカーが水たまりになるほどの強烈な雨によって、プレーは午前11時40分から一時中断。最終組の古閑は4番を終了してクラブハウスに戻り、仲の良い佐伯らと約2時間、お菓子を食べてすごした。ただし周囲の「中止になる」という声にも油断せず、しっかり気持ちをつないだ。

 約2時間後にプレーが再開され、直後の5、7番のボギーで全、三塚に一時並ばれた。だが10番で3メートルのバーディーパットを沈める。不振だった7月に故郷熊本でミニキャンプを張った時、粘りのある高麗芝で特訓。おかげで、雨で重くなったグリーンに苦しむことなく、最後まで耐えられたという。

 最終ラウンドが中止なら獲得賞金は75%の945万円に減っていた。悪条件でのプレーに多くの選手は不満を漏らしたが、古閑はずぶぬれでも今季2勝目を手にして大満足。賞金女王(現在ランク4位)には無関心を強調しているものの「カットされなかったのがうれしい。お金を稼ぐのは好きなので」と笑っていた。