<女子ゴルフ:日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯>◇3日目◇13日◇石川・片山津GC白山C(6545ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 横峯さくら(22=エプソン)が逆転優勝に望みをつないだ。首位と6打差の6位から出てこの日のベストスコア67をマーク、通算5アンダーの211とし、5打差3位に浮上した。4番パー4では松の木の下から果敢にピンを狙ってバーディーを奪取。首位は通算10アンダーの辛■周(28)、2位は6アンダーの申智愛(20)と韓国勢が占める中、今季初優勝へ攻撃的ゴルフで大逆転を狙う。

 野性味あふれるショットで、横峯が観客の度肝を抜いた。4番パー4、第1打を右ラフへ曲げ、迎えた残り140ヤードの第2打だ。松の右後方に球があり、頭上2メートルほどには枝もあったが、気に留めない。「大丈夫でした」。9番アイアンで放ったショットは枝の数十センチ下をくぐり抜け、ピンそば60センチへピタリ。しっかり沈めて勢いづき、逆転圏の5打差3位に浮上した。

 独特の勘もさえていた。この日はアイアンショットのフォローで何度も右手を離す場面があった。それでもグリーンはとらえていた。「芝がフサフサしていたり、逆目だと(クラブヘッドが)突っかかって、左に行ったと思うので、あっという感じで右手を離して、左手だけで調整する」。横峯だけにしか分からない感性で「引っ掛け」を防ぎ、ベストスコアの67を導き出した。

 年間4勝を目指す今季は3度ある2位が最高位、いまだ勝利なしで、地道な努力が続いている。その1つが、父良郎氏が考案したゴムチューブを使ったスイング&筋力強化法だ。左手首と腰をゴムチューブで結んで、実際に球を打つ。クラブを上げるときは負荷が掛かり、下ろすときはチューブに引っ張られるため、体の回転力がアップ。今年から始めた練習法で「飛距離が伸びた」。今大会のドライバー飛距離も245・5ヤードで5位につける。

 持ち前の飛距離を生かし、大胆に攻め続ければ5打差逆転も可能だ。「どんどん行くしかないですよね。このコースは何が起こるか分からないし、自分のプレーができるように頑張ります」と横峯が言えば、練習ラウンドで指導した父良郎氏は「コースが難しいし、5打差は何てことない」と強気に話した。2位申には3月PRGRレディスでプレーオフ負けしており、リベンジへの闘志も秘める。「女子プロ日本一」を決める大舞台。簡単にタイトルを外国人勢に譲るわけにはいかない。【木村有三】※■=火へんに玄