<女子ゴルフ:富士通レディース>◇最終日◇19日◇千葉・東急セブンハンドレッドC西C(6588ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 不動裕理(32=フリー)が大逆転で、ツアー46勝目を挙げた。7打差でスタートした2日目首位の三塚優子(24)に追いつき、通算13アンダーの203でプレーオフに持ち込む。同5ホール目でパーセーブし、パーパットを外した三塚を振り切った。今季4勝のうち3勝がプレーオフでの勝利だ。三塚は惜しくも今季2勝目を逃した。佐々木慶子(32)が通算10アンダーで3位、古閑美保(26)が9アンダーで4位に入った。

 永久シードを誇る「女王」の貫禄(かんろく)だ。18番パー4で繰り返されたプレーオフの3ホール目。不動は第2打をグリーン左前のバンカーに突っ込んだ。目の前には、自分の身長(156センチ)ほど高いアゴ。同じバンカーに入れた正規の18番よりも、さらに壁が迫っていた。その窮地に、不動は「三塚さんがドンドン打っているので」と自分も思い切りよく振り抜き、見事に脱出してパーセーブした。

 5ホール目に三塚がパーパットを外して優勝が決まると、笑顔で握手を求めた。18日は「飛ばし屋有利のコースなので、私はコツコツ行きます」と笑っていたが、歴代3番目の記録となる7打差をひっくり返す大逆転。同じ永久シードの大迫たつ子を抜く、国内ツアー史上3位の通算46勝目を挙げた。今季ツアー最多の4勝目となり、プレーオフで3勝。「(いずれも)追いついてプレーオフを勝ったので、かなり運が向いてきたかな」と勝負強さを誇った。

 シーズン前半はパッティングの不調に苦しみ、6月には10年ぶりに2週連続予選落ちの屈辱も味わった。パットの復調とともに成績も上昇し、全英女子オープンでは最終日最終組でのV争いの末、海外自己最高位の3位に食い込んだ。出場試合数が18と少ないこともあり、4勝しても賞金ランクは6位。「優勝以外の成績が悪いので」と笑い、3年ぶりの賞金女王にはまったく興味を示さないが「せっかく良い調子できているので、今のうちにまた勝てればいい」と勝ち星にはこだわった。

 大会前の14日に32歳になり「仲間が違うホテルなので、何もお祝いはなかった」と笑い飛ばした。6年連続賞金女王(00~05年)を獲得したころと同じく、言動はあくまで控えめ。7月の明治チョコレート杯Vで獲得したお菓子10年分の副賞は、選手仲間や報道陣に配る気配りも見せた。不動の女王は年齢とともに、人間味も増している。【佐藤智徳】