<男子ゴルフ:マイナビABC選手権>◇最終目◇2日◇兵庫・ABCGC(7217ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円◇観衆1万2937人

 石川遼(17=パナソニック)が、プロ転向後ツアー19戦目で、再び栄冠を手にした。ツアー初出場だった昨年5月のマンシングウェアKSB杯で優勝して以来のツアー通算27戦目での2勝目。ドライバーの安定、小技の習得など技術面の上達も勝因だが、2週前に国内最高峰大会の日本オープンで2位に入って、精神面が大きく成長したことが大きい。今季2度目の最終日最終組でも落ち着き払った「静かな心」で69とスコアを伸ばし、「プロ史上最年少優勝」をつかんだ。

 石川は「今週が1番落ち着いてプレーできた」と誇らしげに言った。最終日最終組は開幕戦の4月東建ホームメイト杯以来2度目。首位から出た前回は、1番でダボと崩れて勝利を逸したが、今回は違った。

 4番でバーディー先行、後半も心はブレない。10番から5ホール連続でパーオンを逃しながら、いずれも1パットパーでしのいだ。マスターズ以上とも言われる14・5 フィート に達した高速グリーンでは、ほんの少しの心の乱れが小技のミスにつながるが、しぶとく粘って深堀を追い詰めた。

 「気持ちに起伏があったら、いいスコアが出るわけない。そういうことを自然に思えるようになった」。だが、そんな心境に達する「分岐点」は、2週前の日本オープンだ。予選通過ラインが13オーバーの超難コースでも、ドライバーで攻め続けた。片山と優勝を争って単独2位。「心の迷いを消し、自分のプレーをする」大切さを実感した。04年、19歳だった宮里藍が「静かな心」の重要性に気付いたように。

 体も成長している。阪神桧山らを指導する仲田健トレーナーに師事。複雑な回転運動のゴルフは、単純に筋力を上げるだけでは成果が出ないため、1日50種類もの細かなメニューで、腹筋、背筋の体幹と下半身を中心にバランスよく体を強化。試合中、トレーニングをしないのは日曜だけ。毎日30分から1時間30分かけて体を鍛える日々だ。

 もちろん、スイングを指導してくれる父勝美氏の存在も大きい。「今日はパット、アプローチのうまさで勝てた。ドライバーを教える僕の力じゃない」と謙遜(けんそん)する父に対し、石川は「ずっと父を信じてやってきた。これからも信じてやっていきたい」と言う。心身ともにたくましさを増し、父とのきずなを頼りに、成長している。