<男子ゴルフ:ダンロップフェニックス>◇3日目◇22日◇宮崎・フェニックスCC(7010ヤード、パー71)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)
遼クンに「神風」が吹いてきた。石川遼(17=パナソニック)が70で回って通算4アンダーの209、首位と4打差の3位に浮上した。332ヤードの13番パー4では、右後方からの追い風に乗った第1打がグリーンオーバー。豪快ショットを生かして、楽々とバーディーを奪った。史上最年少の獲得賞金1億円超えへ、23日の最終日は逆転での今季2勝目を狙う。
待ち望んだ風が、やっと吹いた。左ドッグレッグで、332ヤードの13番パー4。石川は右後方からの風を確認し、グリーン方向の左松林上空をにらみつける。ドライバーを握り締め、迷わず振り切った。
石川
あれは、もう完ぺきでした。打ちたい球筋、方向に打てた。
手応え十分の球は、風にも乗って楽々と林を越えた。ピン手前7メートルほどのグリーン面へ落ちると、そのまま奥のラフへ。
石川
まさかグリーンにキャリーで行くと思わなかった。手前の花道かなと。奥までこぼれてるとは。
打った本人も驚く1打に、観客のざわめきも収まらない。今大会1人も達成していない1オンこそ逃したが、アプローチを10センチに寄せて楽々バーディー。逆風でグリーンに届かなかった予選2日間のうっぷんを、きっちり晴らした。
最後も豪快ショットを披露した。残り258ヤードの右ラフから、5番ウッドでこん身のひと振り。「手前のバンカーかと思っていたけど、歓声で分かった」。ピン奥7メートルに2オンし、バーディーで締めた。3位浮上に「大事な3日目をクリアした」とはにかんだ。
35回目を迎える本大会は「メジャー登竜門」ともいえる。93年勝者エルスら、後のメジャー王者を多く輩出。その中の1人が、大会最年少優勝記録を持つセベ・バレステロス氏だ。20歳7カ月だった77年大会を制した同氏は、その後79年全英、80年マスターズなどメジャーで優勝を重ねた。そんな英雄について石川は「大好きです。めちゃくちゃ曲げて、そこから乗せるイメージがある」。17歳2カ月で制せば、石川にも世界進出の夢が広がる。
残り約2030万円に迫った「最年少1億円超え」も、優勝なら一気に達成だ。プロ転向後ツアー初VのマイナビABC時は家族は父勝美さん(52)しかいなかったが、今回は母由紀子さん(41)と妹葉子ちゃん(12)弟航くん(8)が、21日夜に宮崎入り。「お母さんもすごく楽しみだと思う。最後まで誰が勝つか分からない展開に持っていきたい」。不屈の心で、家族の声援に応えるつもりだ。【木村有三】

