【バンコク8日=阿部健吾】男子ゴルフのアジア対欧州の対抗戦「ザ・ロイヤル・トロフィー」は9日にアマタ・スプリングCC(パー72)で開幕。石川遼(17=パナソニック)にとって、本格的な世界デビュー戦となる。石川はアジアの「切り込み隊長」として第1組に抜てきされ、99年全英オープン覇者のポール・ローリー(40)組と対戦。ローリーと欧州組主将のホセ・マリア・オラサバル(42)からは石川への「助言」も飛び出した。メジャー勝者に打ち勝ち、その才能を世界に見せつけたいところだ。

 組み合わせ発表の場で、尾崎直主将から「Ryo

 Ishikawa」の名前が真っ先に呼ばれた。アジアの先陣を切る大役。緊張気味の石川に、さらに強敵が待っていた。欧州チームは99年全英優勝のローリーを指名。世界デビュー戦で、いきなりのメジャー覇者との対決だ。石川は「僕がどんなプレーしても相手は驚かないと思う。でも『手ごわかった』と振り返ってもらえるプレーを見せたい」と闘志をかきたてた。

 実は組み合わせが決定する前に、ローリーは石川について言及していた。「前日に知った」としながらも「メジャーで勝つには何よりも経験が必要。さらに忍耐力もね。この大会もいい経験になると思うよ」。助言とも激励とも受け取れる言葉を送っていた。

 欧州組の主将でマスターズ2勝を誇るオラサバルも石川に注目している。「15歳で最年少優勝を飾ったことも知ってるし、昨年、とてもすばらしい成績を残したことも知っている。(11月の)ダンロップフェニックスでは、2位で惜しかった」。まだプレーは見ていないが、前日の記者会見、前夜祭で石川を見て「偉大な才能を持っていると感じた」と印象を述べた。

 ただ、石川が「20歳でのマスターズ優勝」を目標に掲げていると知ったオラサバルは、目を丸くして沈黙した。そして「1つだけ彼にアドバイスしよう」と言って、「Don't

 go

 fast(急ぐな)」と続けた。今年でプロ2年目となる17歳に贈る言葉としては妥当だったかもしれない。

 石川のモットーは「急がば回るな」。回り道はしないという意味だ。ローリーの「経験」、オラサバルの「急ぐな」という言葉とは対照的だ。ここはまず自分のプレーを見せつけて、さらに深い助言、金言をもらいたいところだ。

 切り込み隊長として、谷口とダブルスを組み、両軍が注目する中でスタートする。「勢いを付けて貢献したい。僕の中ではドライバーのスイングを思い切って変えていて、手応えがある」と自信がみなぎる。第1打で欧州勢の度肝を抜くビッグドライブを放ち、メジャー王者たちを驚かせたい。「日本のスター」から世界へと、石川の新たな挑戦が始まる。