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遼クン粘りのドロー、V感激/男子ゴルフ

16番、サードショットをブッシュの中から放つ石川遼(撮影・下田雄一)
16番、サードショットをブッシュの中から放つ石川遼(撮影・下田雄一)

<男子ゴルフ:ロイヤル・トロフィー>◇最終日◇11日◇タイ、アマタ・スプリングCC(パー72)

 石川遼(17=パナソニック)には、収穫の多い3日間だった。アジアチームが通算10-6で欧州チームを下し、初優勝した。石川はシングルスでソレン・ハンセン(34)と引き分けも、接戦で大観衆を沸かせた。チームの一員として優勝の感動も味わった。経験の浅いマッチプレーに苦しみながら、最後には対戦相手から「タフなヤングスター」と称賛された。この経験を糧に、同じくマッチプレーで行われる2月の世界選手権シリーズ「アクセンチュア・マッチプレー選手権」(米国)出場を視野に、帰国後は練習に励む。

 世界の舞台での「1勝」を目指し、真っ向勝負した充実感が石川を満たしていた。「3日間やって稼いだのは1ポイント。それでもアジアチームの勝利に貢献できて、結果には満足しています」と振り返った。個人では2分け1敗の未勝利。経験の浅いマッチプレーで、欧州の強豪に挑んだ3日間だった。

 この日も世界ランク46位のハンセンと、接戦を演じた。1ダウンで迎えた17番パー3では、流れを戻す最高の1打を放った。「ソレン(・ハンセン)の2日間のショットを見て、僕はピンに行くしかない。3アイアンで打っても絶対に戻ってくる」と強気に攻めた。左の湖から吹く強風に向かって放った球は、計算通りに左からグリーン方向に戻り、2段グリーンの傾斜へ。ボールはゆっくりとカップに近づく。観衆1万6000人の大半が見守り、この日1番の声援が響いた。ピン奥の1メートルにつけ、パーパットを外したハンセンに勝ち、イーブンに戻した。

 リードが入れ替わること3回。1対1の勝負で「アメリカのジュニアでしか経験できなかった」というマッチプレーの難しさを味わった。イーブンで迎えた16番では、第1打を右ブッシュ、第2打を左ブッシュに入れギブアップ。相手に流れを渡した。ティーグラウンドで「ここまで来た。これからが勝負」と考え過ぎて気負った。どこで攻め、どこで守るか、そのタイミングを計れなかった。

 マッチプレーはゴルフの原点。「奥深さを感じた」という石川に、来月にもマッチプレーへの再挑戦がかなうかも知れない。「前週終了時点の世界ランク上位64人」を出場条件とする「アクセンチュア・マッチプレー選手権」だ。現在同ランク60位。「もし出場できるとしたら、この経験は必ず生きてくる」と心構えはある。

 3日間とも対戦相手となったハンセンは最後に「彼はタフなヤングスターだ。今日はとてもいい試合だった。彼の目の前には、いい未来が待っていると思うよ」と話した。2日目までのダブルスで戦った99年全英オープン覇者のローリーも、「とても驚いた。17歳にして成熟したプレーをする。驚いた」と称賛した。

 石川には、今月中にも4月マスターズの招待状が届く可能性がある。今回の戦いは、世界舞台挑戦に生きるはず。ハンセンやローリーへの「リベンジ」のチャンスは必ず来るはずだ。【阿部健吾】

 [2009年1月12日9時30分 紙面から]


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