【ロサンゼルス(米国)21日=阿部健吾】米ツアーデビュー戦のノーザントラスト・オープンで予選落ちした石川遼(17=パナソニック)が21日、完全オフを返上して「仮想タイガー」へ向けた練習を行った。ロサンゼルス近郊のゴルフ場で、加藤大幸キャディー(25)とマッチプレー方式で18ホールをラウンドした。タイガー・ウッズ(33)が復帰する25日開幕のアクセンチュア・マッチプレー選手権(アリゾナ州・リッツ・カールトンGC)の出場権は現時点でないが、繰り上げ出場にわずかな望みを託し、あこがれの選手との初対面、初対戦へ心を躍らせた。

 予選落ちの悔しさはもう消えていた。試合翌日の完全オフの予定を変更。午前11時から大会直前に使用したトランプ・ナショナルGCで練習を再開した。ベストスコア65の加藤キャディーとマッチプレー形式で対戦。7アンド5で勝利して「パットが入らなければ厳しい戦いだった。(加藤キャディーは)こちらの芝に慣れてないようで…」とおどけた。

 マッチプレー形式の練習に報道陣から「仮想タイガー?」の質問が飛ぶと、石川は弾む声で即答した。「そのつもりでスタートのティーグラウンドに立ちました」。左ひざを手術したウッズの8カ月ぶりの復帰戦となるアクセンチュア・マッチプレー選手権の出場権はない。しかし、繰り上げ出場の可能性はまだわずかに残っている。ウッズは7歳でゴルフを始めるきっかけになり、攻めのスタイルを貫くあこがれの存在。高揚感を抑え切れなかった。

 同大会には有資格者の世界ランク上位64人全員が参加を表明している。辞退者が3人出ない限り出場できない。ましてウッズと対戦する可能性は極めて低い。だが待機リスト10人までは会場の練習場を使えることから、初対面のチャンスはある。出場できなくてもウッズの初戦を見る可能性は高い。石川は「試合から離れていてどういう戦いをするのか」と注目。2番アイアンで低くボールを打ち出す特有のスティンガーショットにも「(自分のショットと)どこが違うのか見てみたい」と興味は尽きなかった。

 ウッズを見る目は、まだ1ギャラリーだという。直接対決しても「ミケルソンなら『(ウッズに)入れてくるな』と思う場面でも、僕は『(ウッズ)に入れてほしい』と思ってしまう」という。だが同時に「そこは変わってくるようにしたい」。あこがれの存在からライバルへ。心躍らせてフルスイングしたこの日のマッチプレーが、その第1歩になる。