【マラナ(米アリゾナ州)25日=阿部健吾】アクセンチュア世界マッチプレー選手権がリッツカールトンGCで開幕した。補欠で出場を待った石川遼(17=パナソニック)は前日24日、左ひざ手術から約8カ月ぶりに大会に復帰を表明した、あこがれのタイガー・ウッズ(33)と初めて対面した。わずか8秒の対面だったが、握手を交わして「僕のゴルフ人生で間違いなく記憶に残るシーン」と興奮し、目を潤ませた。
決して忘れないだろう初対面だった。開幕前日、石川はあこがれのウッズと初めて会い、握手を交わし、いつまでも心に残る言葉をもらった。「感無量です。握手できただけで幸せ。タイガーの手はがっちりしていました。僕のゴルフ人生の中で間違いなく(記憶に)残るシーンだった」。歓喜と興奮で顔は紅潮した。目は心なしか潤んでいた。
23日夜、関係者に連絡を取ってもらい、ウッズと会えそうだと知った。24日午前9時過ぎ、練習場で打ち込みを開始。同7時過ぎにウッズが練習ラウンドを開始したのは分かっていた。初対面を待ちわび、いつもより遅いペースでボールを打ち続けた。同10時40分、ウッズが最終18番に入ったとの連絡を受け、練習を中断。クラブハウス前に急ぎ、あこがれの人を待った。「(関係者に)『来てくれ』と言われてから、タイガーが来るまであっという間だった」。同45分、練習ラウンドを終えたウッズが自分に向かって歩いてきた。
笑顔で近づいてきたウッズと目が合った。「君のことは知っているよ。会えてうれしい。成功おめでとう」。ぐるりと取り囲んだカメラのシャッター音で、英語は断片的にしか聞き取れなかった。「Nice
to
meet
you(お会いできて光栄です)」と、短く答え、差し出された右手を握りしめた。「Good
luck!」と言い残してウッズが立ち去るまで、わずか8秒。「(大勢の取材陣に囲まれ)混乱している状況だったけど、しっかり僕のことを見つけてくれた」。笑顔がはじけた。
公式会見でウッズは石川についてこう話した。
ウッズ
注目されることでプレーが良くなるわけでもないし、トーナメントを勝つ助けにもならない。成功を勝ち取るためには、まだまだ時間をかけて努力して、成功への足場を固めていくことだ。騒がれても迷わず前に進んでほしい。17歳とはとても信じられない活躍。これからの成長と信じられないような経歴が続くことを願う。
ウッズの言葉は重みが違う。練習ラウンドを終えてコメントを伝え聞いた石川は「心が広く、器の大きな男だなと思った。光栄です。泣きそうです」と、言葉を詰まらせた。何とかして、あこがれのウッズと同じ舞台に立ちたい。今大会は補欠の3番目。開幕後もコースで朗報を待った。

