<米男子ゴルフ:ビュイック・オープン>◇最終日◇2日◇米ミシガン州グランブラン、ワーウィックヒルズ・クラブ(パー72)

 タイガー・ウッズ(33=米国)が、今季4勝目、ツアー通算69勝目を挙げた。前日首位に立ち、この日は3バーディー、ボギーなしの69で回り、通算20アンダー268で2位に3打差で逃げ切った。今季限りで大会主催者から撤退するゼネラル・モーターズ(GM)は、昨年までウッズのスポンサー。恩返しの優勝で、通算70勝の大台に王手をかけるとともに、2週後の全米プロ(13日開幕、ヘーゼルティン・ナショナルGC)に弾みをつけた。

 17番でパーパットを沈めたウッズが、ギャラリーにボールを投げ入れた。この時点で2位に3打差。あと1ホール残している。勝利を確信した訳ではなかった。「こんな素晴らしい観客の前でプレーしたことは、今までなかった。普段は絶対やらないことだが、今日は違った」。この大会、コース、主催者への思い入れが、そんなパフォーマンスをさせた。

 経営再建中のGMが、51年続いたこの大会のスポンサーからの撤退を決めた。ウッズ自身も昨季まで9年間、GMとスポンサー契約を結んでいた。最後となる大会で、主催者へ、もう会うことがないかもしれない観客への感謝の気持ちを表現した。

 決して楽な勝利ではなかった。初日71で95位からスタート。「2日間、パットが入ってくれたから」と2日目63、3日目65でVモードに切り替わった。この日も10番で林の中、13番パー5では池にいれ、いずれもパーで切り抜けての勝利。「また、ここに戻ってきたい」と思いを込めた。

 米ツアー通算69勝目で、サム・スニードの82勝、ジャック・ニクラウスの73勝に次ぐ、史上3人目の70勝の大台に王手をかけた。スニードより約8歳、ニクラウスより約7歳も若い。賞金ランクも547万ドルで1位を独走。左ひざ手術から完全に復活した。

 残るターゲットは、メジャー優勝だけ。今季4勝とも、メジャーを2週後に控えた大会だが、全英オープンで初の予選落ちを喫するなど、不本意に終わっている。今季最後のチャンスとなる全米プロでは、同じ轍(てつ)は踏まない。