<女子ゴルフ:CATレディース>◇最終日◇8月23日◇神奈川・大箱根CC(6648ヤード、パー73)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 諸見里しのぶ(23=ダイキン工業)が、棄権危機を乗り越えて今季4勝目、ツアー通算7勝目を挙げた。2日目終了後に熱中症となったが気力で強行出場。1イーグル、4バーディー、1ボギーの68で回り、通算11アンダーの208で、古閑美保(27)福嶋晃子(36)との接戦を制した。7月の全英女子オープンで上位争いをした経験が、土壇場で生きた。今季最多4勝で賞金ランク首位を守り、宮里藍、横峯さくらに続き史上3番目の若さとスピードで、生涯獲得賞金3億円を突破した。

 絶叫も涙もない。優勝が決まると、諸見里は淡々と周囲の握手攻めに応えた。1打差2位で迎えた最終日、古閑、福嶋との接戦を制した。「緊張しっ放しでしたが、最後まで目標スコア66を目指しました」。重圧を受け止め、順位ボードを常に確認しながら、逆転で今季4勝目をつかんだ。

 実は棄権の危機だった。国内ツアーはここまで20試合皆勤中。先月は全英女子オープンにも出場した。疲労のピークは2日目の途中にきた。15番で頭痛が発症し、競技後は頭が割れるような痛みに襲われ、ロッカー室で倒れた。熱中症だった。肥後かおりにサプリメントをもらい、約2時間静養して回復に努めたが、最終日に不安が残った。

 全英女子オープンの経験が、土壇場でのパワーになった。全英3日目には7位に浮上するなど「メジャーで勝てるかもしれない」と確信をつかんだ。現在賞金ランク首位。女王になれば、無条件でメジャー3大会に出場できる。この日の朝も頭痛はあったが「今日は水分を蒸発させないぞ」と、500ミリリットルの水を一気に飲み干した。

 スタートの1番パー5ではグリーン奥12メートルのエッジからチップインイーグルを奪い、頭痛を吹き飛ばす。激しい首位争いにも、前半終了時にキャディーを「焦らないで」と落ち着かせるほど、冷静だった。

 今季最多4勝で、前週に就いた賞金ランク首位の座をキープ。宮里、横峯に続くスピードで生涯獲得賞金3億円も突破した。それでも、世界を見据える23歳に満足感はない。「気を引き締めて、今季はあと2勝したい。自分の夢(米メジャー出場)をかなえるためにも」。堂々とした態度に、早くも新女王の貫禄(かんろく)が漂った。【田口潤】