<男子ゴルフ:フジサンケイクラシック>◇初日◇3日◇山梨・富士桜CC(7397ヤード、パー71)◇賞金総額1億1000万円(優勝2200万円)

 62歳の尾崎将司(マックス・インターナショナル)が、4バーディー、2ボギーの2アンダー69をマークして暫定4位と好スタートを切った。昨年12月に持病の座骨神経痛治療のため再手術を受けるなど満身創痍(そうい)だが、5番パー4では325ヤードと飛ばして全盛期の片りんも見せた。最終日最終組で石川遼(17)と一緒に回る、という夢の実現にも期待が膨らんだ。石川は同組の片山晋呉(36)丸山茂樹(39)を抑え、2アンダーで尾崎将と並んで暫定4位。井戸木鴻樹(47)が6アンダーの65で暫定首位に立った。日没のため9選手が競技を終了できなかった。

 還暦を過ぎたジャンボが魅せた。17番パー5。第2打を右林に入れたが、あきらめなかった。残り100ヤードの第3打をピン横1・5メートルにつけてバーディーを奪うと、笑顔でテレビカメラに指を差した。全盛期のパフォーマンスも復活。2アンダーの暫定4位でホールアウトした。

 昨年12月に持病の座骨神経痛治療のため再手術を受け、オフは歩くことから始めた。今季は出場10戦中予選通過は2試合だけ。プレーの合間に使う携帯のイスも欠かせず、平均飛距離は全盛期より20ヤード以上短い264・29ヤード(112位)に落ちた。それでもこの日は5番パー4で、325ヤードのビッグドライブ。「今の若い子はずいぶん飛ぶし、腰が痛いなんて言ってられないよ」と豪快に笑った。

 キャディーバッグには「百試千改(ひゃくしせんかい)」との言葉が縫いつけてある。「百回試して千回改める。追求して追求してやっと自分のものにできるってこと。人生と同じなんだ」と今年のテーマにしている。この日も少しでも飛距離を伸ばすため、先週より0・25インチ長い46インチのドライバーを使用。「何と言っても飛距離が1番大事だから、いろんなことをやっている。まだまだ試行錯誤だな」と話した。

 2年前からたびたび千葉県内の自宅で石川を指導している。前週のVanaH杯KBCオーガスタを制した23歳の池田勇太も自宅に招待した。若い選手との交流で、自らも刺激を受けている。昨年暮れに「ジャンボ塾」に訪れた石川には「来年は遼と最終日最終組で回るからな」と宣言した。初日はその石川と並んで暫定4位。石川からは「ジャンボさんのスイング、アプローチ、パッティングを見ると、まだ日本一の気がする」とエールを送られた。

 今年62歳を迎えても、闘争心は枯れない。定年を迎えた同世代の夢をかなえるためにも、62歳のツアー最年長で、02年9月全日空オープン以来の優勝と、自身の持つツアー最年長優勝記録の更新も狙う。