<男子ゴルフ:ブリヂストンオープン>◇最終日◇25日◇千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C(7138ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 池田勇太(23=フリー)が今季4勝目を挙げて、石川遼(18)を逆転して賞金ランク首位に再浮上した。首位と2打差3位でスタートし、8バーディー、1ボギーの65で回り、通算18アンダーの270で優勝。開幕前から優勝を狙っていた地元千葉開催のホスト大会で、右手甲痛を乗り越えて悲願を達成した。賞金ランクトップに立ったことで、世界選手権シリーズ・HSBC選手権(11月5日開幕、中国)への出場も有力に。同選手権は日本の賞金額にも加算される高額大会で、既に出場が決定している石川との賞金王争いが国内外でさらに過熱しそうだ。

 地元ファンの大歓声の中、池田は優勝インタビューで力強く言った。「わが家で優勝した気分。賞金ランク1位、今年いっぱいこの位置を守れるように頑張ります」。今年最大の目標にしてきた大会で予告通りに優勝し、堂々と賞金王取りを宣言した。

 右手にはテーピングが巻かれていた。大会2週前に右手甲痛を発症した。しかし、「痛いだ、寒いだ言ってる場合じゃない」。4番で15メートルを決め、8番では13メートルを沈めてバーディーを奪った。11番からの3ホールでは痛みが走り「きつかった」。それでも12、13、14番と連続バーディー。この日のパーオン率も77・8%(1位)で、同組の久保谷は「宇宙人みたいなゴルフ」とうなった。

 どうしても勝ちたかった。会場は実家から車で20分の地元。小学校低学年時に初めて観戦したツアーが今大会だった。用具契約を結ぶ主催のブリヂストンスポーツには、10年以上お世話になっている。開幕前から「自分は日本オープンよりこの大会に勝ちたい」と公言してきた。もう1つ発奮材料があった。足の具合が悪く遠出ができない祖母正子さん(85)が、地元ということで観戦に訪れた。「ここじゃないと見に来られないから、ここで優勝するしかない」と池田は心に決めていた。

 優勝で来年9月の世界選手権シリーズ・ブリヂストン招待(米国)への切符を得た。賞金ランク首位に浮上したことで、2週後の同シリーズ・HSBC選手権も出場有力となった。手の痛みから出場にはまだ慎重だが、同選手権は賞金総額700万ドル(約6億3000万円)で予選落ちなし。日本ツアーの賞金額にも加算されるため、出場する石川との賞金王争いが中国で実現する可能性も十分ある。

 10月のコカ・コーラ東海クラシックから、スタートホールの選手紹介で言われ始めた呼称が「ゴルフ界の若大将」。「勝手に言われちゃったから。まあいいんじゃない」とまんざらでもなさそう。23歳の池田と18歳の石川の史上最年少の賞金王争いは、いよいよマッチレースに突入した。【阿部健吾】