<男子ゴルフ:マイナビABC選手権>◇最終日◇1日◇兵庫・ABCGC(7217ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)
遼くんも、参った?!
鈴木亨(43=ミズノ)が家族愛で、5年ぶりのツアー通算8勝目を挙げた。首位スタートから71で回り通算14アンダーの274で、2位兼本貴司(38)に5打差をつけて逃げ切った。自宅のある千葉から京子夫人(41)と長男貴之くん(12)が来場。手作りのお守りで勝利を祈ってくれたアイドルグループ「℃-ute」の長女愛理さん(15)にも、最高の結果で応えた。
重圧に打ち勝った43歳はフーッと息を吐いた。「いやあ、長かった」。待ちわびた5年ぶりの勝利の味をしみじみとかみしめた。スタート時の5打差を守る圧勝劇。だが、余裕を生むはずのリードが、実はつらかった。
鈴木
5打差は微妙。勝って当たり前っていうのがあるから。かなりプレッシャーになった。絶対勝たなきゃいけない差だから。
いつもは夜9時になると眠りにつくが、前夜は11時まで寝られなかった。この日の朝も6時に起きるはずが、5時に目覚めた。95年日本プロでは2日目を終え7打差首位も、残り2日間で逆転負け。脳裏には悪夢もよぎっていた。
弱気になる心を支えたのは、家族だった。アイドルグループ「℃-ute」の長女愛理さんからは連日「大好きなパパへ(ハート)」と激励メールをもらった。さらに愛娘が前日深夜1時までかかって手作りした巾着のお守りと手紙を持って、長男貴之くんと京子夫人が千葉から応援に駆けつけていた。10番のボギーで2位兼本に3打差まで迫られたが、15番で1・5メートル、16番で2メートルを沈めて連続バーディー。「僕の前で1度も勝ったことがない」と言われ続けた息子の目の前で、強い父の姿を見せつけた。
ツアー屈指の安定したスイングで、93年から16年連続でシードを守り続ける。今大会の平均飛距離(284ヤード)も石川を1ヤード上回るほど、パワーも健在だ。「ゴルフが大好きだし、ゴルフやってる時が一番楽しい。挫折もあるけど、またやりたいと思う。今年も、もう1つ(勝ちたい)と思ってる」。家族愛を背景に、ますます貪欲(どんよく)になっていた。【木村有三】

