<男子ゴルフ:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇初日◇12日◇静岡・太平洋クラブ御殿場C(7246ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 賞金ランク1位の池田勇太(23=フリー)が、右手甲の痛みを抱えながらも、4アンダー68で首位に1打差4位と好発進した。手に負担がかからない打ち方やコース戦略を心掛け、4バーディー、ノーボギー。前日の「出るからには上位に行くように」という宣言通りの好プレーで、プライドを守った。

 手負いの池田が、賞金ランク1位の意地を見せた。この日6ホール目の15番パー4で、第1打がディボット跡に入る不運。第2打で手に衝撃を受けるのは明らかだ。「見た時は『もう帰れってか』と思ったよ」。実際に打った直後、右手を抱えてしゃがみこんだ。球はグリーンに届かない。「一発『バーン』と電気が走ると、『ジワーン』と次のホールまで残る。パットでは力が入っているのかどうか、分からない」。そんな中、第3打を約1メートルに寄せてナイスパーだ。

 2番、5番でも同様の痛みに襲われながら、ボギーはたたかない。この日出場84選手中、ノーボギーは3人だけ。最終9番で約3メートルの微妙なパーパットを「最後までノーボギーで終わりたくて」沈めると、キャディーとそっと優しい握手を交わした。

 手に負担を掛けないコース戦略を続けた。18番パー5は第1打を左バンカーに入れ、本来なら得意な残り100ヤードに刻む場面。左足上がりでウエッジを打ち込むのは痛みを伴う。「長いクラブで空に向かって、ボールだけはらうように力を抜いて打つ方が楽」。2番ユーティリティーで脱出を試みた。3番パー5でも第2打を残り100ヤードではなく、「サンドウエッジで軽く打てる」という残り70ヤードに運ぶ作戦に変えた。

 「昨日も言ったけど、出るからにはやる。痛かろうが、トップ争いする。今のオレに課せられた条件」と言葉は力強い。同時に故障を抱えての強行出場の一因を「やっぱり好きだから、ゴルフが」と話す。前日11日には日清食品とのスポンサー契約を発表し、この日から「どん兵衛」のロゴをつけたウエアを着始め、さっそくギャラリーから「次は『どん兵衛』が打つ」と声がかかった。自分のためにも、スポンサーのためにも、石川との賞金レースを楽しみにしているファンのためにも、最後まで戦い抜くつもり。それが池田のプロ魂だ。【岡田美奈】