全世界に生中継されたタイガー・ウッズ(34=米国)の謝罪会見が、米英メディアから総スカンを食らった。19日(日本時間20日)、自身の大量愛人スキャンダル問題について「私は不倫をした。身勝手な行動は許されるものではない」と声明文を読み上げた。だが、質疑応答はなく、最後には母クルチダさんと抱擁までする姿に、英タイムス紙は「素人のパフォーマンス」と否定的。復帰時期も明言せず、再びリハビリ生活に入ったウッズに批判が集中した。

 痛烈だった。20日付の英タイムス紙の1面には「タイガーの謝罪パフォーマンス(Tiger

 Woods

 gives

 a

 sorry

 performance)」の見出し。「sorry」には「謝罪」と「散々」という意味があるため、裏の意味は「タイガーの散々なパフォーマンス」。めったにスポーツを1面にしない英高級紙が、賢い皮肉で一刀両断した。

 質疑応答なしで、一方的に声明文を読み上げた13分30秒。「女性たちと関係を持った。ファンの期待を裏切った」と潔かった。だが、全世界に生中継された会見の最後に母クルチダさんと抱き合う姿までみせたことに、同紙は「詳細まで振り付けられていた。計画はプロの仕事だったけど、パフォーマンスは素人」と突き放した。

 米英メディアは一方的会見を一斉に批判。ワシントン・ポスト紙電子版は「タイガーは謝罪をコントロールした」。メディア対応の専門家リック・セローン氏は「謙虚さを期待したが、見えたのは高慢さ」と指摘した。幼少時代から仏教徒として生きてきたことを明かし、今後仏教を支えにしていくことも宣言したが、「タイガー、仏教に走る」(英ミラー紙)とちゃかされる始末だった。

 一方、復帰時期については未定のままだ。会見では「いつかは試合に復帰するつもりです。それがいつになるかはわかりません。今年中になる可能性も否定しません」と言及。今季メジャー初戦マスターズ(4月8日開幕)出場もあやしくなった。現在、セックス依存症のリハビリ治療が45日間経過した段階で、20日から施設に戻り継続するという。会見後、スポンサー契約するナイキ社、ジレット社が継続支援を表明するなど復帰への第一歩は刻んだつもりだったが、思わぬ批判の渦に、状況は好転しなかった。