<女子ゴルフ:Tポイントレディス>◇最終日◇21日◇鹿児島高牧CC(6332ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 強風に耐え、北田瑠衣(28=フリー)が2季ぶりのツアー通算6勝目をマークした。首位スタートの最終日、最大瞬間風速18メートルという「春の嵐」に、上位陣が次々スコアを落とす中、2バーディー、2ボギーのパープレー。尊敬する片山晋呉(37)らに見守られ、2位に5打差をつける我慢勝ちだ。開幕3戦目で海外勢の連勝をストップ。05年第1回女子W杯覇者はたくましさを増し、初の海外メジャー出場に意欲を見せた。

 最終18番ホールをパーで締め、両手を広げた北田の顔に安堵(あんど)の笑みが広がった。「本当に長い1日。こんなに緊張したのは初めて。変なゴルフは見せられませんから」。グリーンサイドにはプロキャディーの夫・石井恵可氏、谷将貴コーチ、そして尊敬する片山らがいた。

 最大瞬間18メートルの強風が舞うコース。スタート前に届いた片山のメールを頭にたたき込んだ。

 「耐えるんだよ」。

 出だし1番パー5は第1打がバンカー、第2打もバンカー…。パーパットは10メートルもあった。「狙って入るラインではなかった」という。片山が4月のマスターズで使用予定のものと同じモデルの新パターで、グイとねじ込んだ。V戦線のライバルが失速するのを横目に「パーを重ねる」というテーマを黙々とこなし、パープレーでしのぎきった。

 同じ谷コーチと契約する片山のオフ合宿に参加して、3年目。今年は「シンゴさんの言ってること、やってる練習の理由が分かってきた」という。ハーフスイングで砂の上の球を打ち、ミート率向上をはかる。パットは1メートル強のレールに球を置き、左右の片手ずつで打ち、ストロークを磨く。「感性を第一に考えてきたけど、今は機械的というか。いいストロークには、いい結果がついてくる」。「勝てる時は勝てる。勝てない時は勝てない」。考え方が、日本ゴルフ界有数の“求道者”に似てきた。

 05年に第1回女子W杯を制したが、相棒の宮里藍に頼り切りだった。逆に自信をなくし、同年にはシード落ち。それから5年。「今、世界に出たら、どれぐらいできるだろう。海外に出てみたい」。開幕戦のアン・ソンジュ、2戦目のウェイ・ユンジェ。日本女子ツアーの海外勢連勝を3戦目で止めた。強くなった北田に、海外メジャー初挑戦という野望が見えてきた。【加藤裕一】