【サウスポート(英国)28日=田口潤】宮里藍(25=サントリー)が「アニカ魂」で初のメジャー制覇を実現する。全英リコー女子オープン(英ロイヤルバークデールGC)は29日に開幕する。同コース開催の5年前は元世界女王アニカ・ソレンスタムさん(39)と練習と予選ラウンドで同組で、間近で「心技体」を吸収して11位と健闘した。その原点の地で、5年前のソレンスタムさんから学んだものをもう1度心に刻み、23回目のメジャー大会で初優勝を狙う。
アイリッシュ海から強い風が吹き付ける。イングランド中西部のロイヤルバークデールGC。防寒用の白の耳当てをつけながら、最後の練習ラウンドを回る宮里の心には、まだプロ3年目の20歳だったころの思いがよみがえった。「5年前、ここでアニカ(ソレンスタム)と練習ラウンドを回った。トーナメントでも同組で、1つのきっかけになった」と振り返った。
同コースで開催された05年大会は、練習ラウンドからソレンスタムさんと一緒だった。世界女王の一挙手一投足は勉強になった。「1球1球を大事にプレーしていた」。心の揺れの少ない冷静沈着なスタイルに尊敬の念を抱いた。予選ラウンドも同組でプレー。大きな刺激を受け、当時、メジャー自己最高位の11位と結果を残した。
「アニカからはいろいろなことが吸収できた」。その後のゴルフ人生にも、ソレンスタムさんは大きな影響を残した。08年からはソレンスタムさんの師匠ニールソンとマリオットの両コーチと契約。ソレンスタムさんが掲げた全18ホールでバーディーを狙う「54ビジョン」の考えを自分のものにした。
今大会では2カ月ぶりに、両コーチとも再会した。前週のエビアンマスターズでは前年覇者としての重圧が知らず知らずのしかかり、心に迷いが生まれた。両コーチとは練習場でも数時間以上話し合って心を整理。自分のプレーの原点にもなった「目の前の1打1打に集中」に立ち返ることができた。
初出場の04年全英女子から今大会は23回目のメジャー大会。今週は世界、賞金ランキングともに、申ジエ(韓国)に首位を譲った。「世界のトップ」奪還の懸かった大事な大舞台。「難しいホールの多い前半を切り抜けて、後半に伸ばしたい」。世界に飛躍した自分のゴルフの原点でもある「アニカ魂」が心の支えになる。

