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藍が完全Vで「3冠」前進/米女子ゴルフ

3番、大勢のギャラリーに囲まれ、ピンに寄せる宮里藍(AP)
3番、大勢のギャラリーに囲まれ、ピンに寄せる宮里藍(AP)

<米女子ゴルフ:セーフウェー・クラシック>◇最終日◇22日◇米オレゴン州パンプキンリッジGC(6552ヤード、パー72)◇賞金総額150万ドル(約1億2750万円)優勝22万5000ドル(約1913万円)

 宮里藍(25=サントリー)が米ツアー「3冠」に大きく前進した。最終ラウンドは72でまとめ、通算11アンダー205とし、2位に2打差をつけ、米ツアーで自身初の完全優勝を飾った。賞金女王に輝いた87年の岡本綾子の年間4勝を超え、日本人最多のシーズン5勝目。賞金、世界ランキング、目標の年間最優秀選手賞ポイントとすべてトップに浮上した。年内にジュニア育成の冠大会「藍カップ」の開催プランも明らかになり、このまま突っ走りたいところだ。

 派手さはない。淡々と短いパーのウイニングパットを沈め、両手を上げた姿に、今の宮里藍の強さが詰まっていた。一時は1打差に6人がひしめいたが、終盤にかけ徐々に脱落。最後は世界ランク1位だった、前組のカーも、根負けしたように18番で池ポチャ。11番からパーを積み重ねた宮里が「綾子超え」となるシーズン5勝目を手に入れた。

 宮里 簡単な優勝ではない。今日も厳しい戦いだったが、自分らしく最後までプレーできた。

 2位に3打差をつけて迎えた最終日。スタートから雨と風に悩まされ、2、7番でボギーをたたく。あっという間に、後続に1打差と迫られた。嫌な流れだったが「緊張してもいい。胸を張ってプレーして我慢していけば、いい流れになる」と耐えた。9番で4メートルのバーディーパットを沈め「よし、やるんだと思えた」とガッツポーズ。続く10番もバーディーで、ピンチを食い止めた。

 ドライバーの平均飛距離は244ヤードで87位。この日も小技がスコアを支えた。グリーンを外した13番では、ピンまで約20ヤードのラフから約30センチに寄せてパーセーブ。「(米ツアーの)最初の2年間は飛距離を伸ばそうとしたが、その後はショートゲームを一生懸命やった」。自分の最大の武器を「綾子超え」がかかった節目に生かした。

 23回目のメジャーとなった7月の全英女子は9位。世界ランクで首位争いしながら、今年もメジャー制覇の夢を持ち越した。口にこそ出さないが、悔しさは募った。日本ツアー出場のため帰国すると、父でコーチの優氏(63)と沖縄の練習場に向かった。飛球線に対して直角のラインに左足をそろえ、右足を開く。ゴルフを覚えた3歳からの基本のアドレスを繰り返した。開き気味だったスタンスは解消。ショットは安定し、前週NEC軽井沢72では2日目まで首位、今週は優勝。原点回帰もV字回復の要因だった。

 今回の優勝で賞金、年間最優秀選手ランクに続き、世界ランクも3度目の首位に返り咲いた。この日は日本人だけでなく、多くの米国人もギャラリーについた。「最初来たときは(米国人の)ギャラリーは1人もいなかったが、今は増えてきたし、アウェーとは感じない。日本代表として勝ちたいとの意識ではなく、プレーの前に人として受け入れてもらうことが大事だと思う」。日本人最多のシーズン5勝目。日本代表の枠を超え、世界のトップに向けてひた走る。

 [2010年8月24日10時44分 紙面から]


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